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結城 花梨 略歴はこちらから

東京学生映画祭アニメフェスグランプリ受賞!
早稲田での刺激が、物語を紡ぎだす

結城 花梨/人間科学部3年

 ほこりっぽくさびれた街の風景。舞台はどこかの国のスラム街だ。そこに暮らす少年が謎の生き物、“チャモリーゼ”に出会い、物語が始まる。アニメフェスグランプリ受賞作『チャモリーゼ』の冒頭だ。「描いていて世界を作っていくような感覚になるので、建物の描写が好き。自分の好きなことを生かしながら、誰もが観て面白い! と感じられる作品を作りたいと思いました」と結城さんは話す。精密なタッチで緻密に描き込まれているスラム街と、やさしく伸びやかなラインで描かれたキャラクターが不思議な世界観を作り出している。「子どものころから絵を描くのは好きでしたね。母が言うには自分が描いた絵をほめないとふくれていたそうです(笑)。人物キャラクターも描いていましたが、高校生のとき、無性に“階段”が描きたくなって。建物好きはそのころからかも……」。

ジブリ作品に影響を受けたスケッチ

 2008年に本学人間科学部入学。実は入学を決めたのは、兄への対抗心からだったという。「兄の言葉にむきになって頑張ったら、思いのほか頑張ることができて。本当に合格できたんです。兄に感謝?でしょうか(笑)」。実際、入学してみると日本全国から面白い人材が集まっていることに感動した。「本当にいろんな人がいて、刺激を受けます。アニメを作ろうと思ったのも、『早稲田映画まつり※』がきっかけでした。自分が本当にやりたいことを表現している作品を見ていたら、やる気というかライバル心がむくむく湧いてきたんです」。所属していた映像制作サークルの仲間にも刺激を受けたという。「まずは自分の手で作ってみよう、そう思いました」。

 最初は友人と2人で『リトルル』という小人が登場するアニメを制作。その後、もう1本を制作、3本目の『チャモリーゼ』は、ほとんど自分一人で作った。「参加者のほとんどが美大生だったので、グランプリに決まった時は嬉しさより驚きが先でした。でも作品は誰かに影響を与えてこそ意味があると思っているので、グランプリを受賞できて励みになりました」。そう言って満面の笑顔で頷く結城さん。現在は今月開催の第23回早稲田映画まつりの広報担当として忙しい。もちろん制作者として新作も出品する。「新作は“親子”をテーマにした作品です。アニメーションを作るきっかけになってくれたイベントなので、広報としてもしっかりやり遂げたいですね」。建物好きの結城さん。古都京都に住みたくて京都の大学への進学も考えたこともあったが、京都に未練はないですか?という質問にこう即答した。「早稲田での刺激が、アニメーション制作という今につながっています。来て良かったと思います。京都は……旅行で充分かな(笑)」。アニメーション制作に渾身で臨む“ワセ女”になりつつあるようだ。

※第23回早稲田映画まつり

2010年12月21日(火)・22日(水)、大隈講堂にて開催!
詳細はhttp://www.wasedafilmfes.com/にて

螺旋状に展開する空想図書館のスケッチ

お気に入りのスケッチは、名刺に使っている

スラム街風景

チャモリーゼを抱きかかえる少年

最新作『ママとポット』より

(提供:早稲田ウィークリー

結城 花梨(ゆうき・かりん)/人間科学部3年

1989年千葉県生まれ。千葉県立東金高等学校卒業。人間科学部3年。入学後、映像製作サークル「CINEMANIAX」に所属。早稲田映画まつりで上映された作品に刺激されアニメーション制作を始める。3本目になる『チャモリーゼ』が、第22回東京学生映画祭・特別企画東京学生アニメフェスにてグランプリを受賞。好きな映画はスタジオジブリの作品。特に『耳をすませば』が一番のお気に入り。休日はカメラを持って街を歩くことが多い。本人いわく「路地裏や廃墟など、物語が感じられるものにひかれます」。