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レスリングは人生を教えてくれた
だから将来、指導者として恩返ししたい

石田 智嗣/スポーツ科学部4年

 2010年の全日本学生選手権や世界学生選手権では、無失点で完全優勝。その完璧な試合ぶりから、普段からさぞかし“完璧主義”なのかと思いきや、「大ざっぱなんですよ~」と恥ずかしそうに笑う石田さん。「ものをなくしたり約束の時間を間違えたり…といったことは、しょっちゅうあります(笑)」。

2010年5月、東日本学生 レスリングリーグ戦

 レスリングを始めたのは3歳のころ。早くも頭角を現し、幼稚園の年長から小学校6年生まで、全国大会7連覇という快挙を成し遂げる。中学時代は優勝こそはなかったものの、上位の成績を維持していた。当然、いくつかの高校から推薦入学の話が舞い込む。「すごく迷いました。でも僕は、勉強もスポーツも両方ちゃんとできる学校に行きたかったんです」。

 そこで、一般入試で立命館宇治高等学校に進学。レスリング部の先生の家に下宿して、勉強もレスリングも全力で取り組んだ。そして、3年生のときには、インターハイや国体など4つの全国大会で優勝を果たした。「学費や生活費等の面で親に負担をかけていましたから、全国制覇は自分の責任だと思っていました。それが実現できて、正直ホッとしました」。

 そして本学に進学。石田さんは、入学当初から目標を決めていた。それは、「ロンドンオリンピックへの出場」だ。ちょうど4年生となる2012年が、開催年に当たるのだ。そのために、まずは学生チャンピオンを目指し、2年生の夏には、全日本学生選手権で見事初優勝を果たした。その後も、普段歩いている時にも体の重心のバランスを気にするなど、レスリングにとことん真面目に取り組んだ。「レスリングは孤独な戦いです。応援してくれる人はいますけど、マットの上では自分一人。だから、どれだけ自分の意志を強く持てるかが大切なんです」。

 それでは、石田さんにとって、仲間ってどんな存在?「宝です。寮生活も共にしているので、心の支えになってくれています。また、勉強させてもらうことも多くて、特に同期の山口剛選手のアグレッシブに攻める姿勢は、見習いたいと思っています」。

レスリング部の親睦会。右は同期の山口さん、左は石田さん

 2年生の冬には、日本人が世界で最も活躍している60kg級に階級を絞った。もともと66キロ級を中心に戦っていたため、ただでさえキツい減量では、想像を絶する苦しみを味わうことになった。「漫画『あしたのジョー』で描かれている様子は、全く大げさではありません! 減量中は過度の脱水症状で、眠れない日々が続きました。でも、苦しいときほど、周りの人のちょっとした優しさが本当にありがたいんです」。

 試合のために海外に行けば、日本と違った風景が見える。「経済的に苦しくて、道を歩いていると子どもたちがお金をせがんでくるような国もあります。そういう経験をすると、貧困に苦しんでいる世界の人のことなどを身近に考えさせられますね」。

 レスリングを通じて、いろんなことを学ばせてもらっている。だからこそ、将来もレスリングに携わり、恩返しをしたい。「授業では体育教育学を学んでいます。将来は指導者として、後輩たちを育てていきたいです!」。目をキラキラさせて夢を語ってくれた。

 さまざまな想いを胸に、今はロンドンオリンピック出場という目標に向かって邁進する石田さん。「絶対にオリンピック出場したいです。レスリングで世界一になりたい!」と、真剣な表情で語る。今後の活躍に注目しよう!(※)

※ 4月29日・30日に行われた明治乳業杯全日本選抜レスリング選手権大会では、フリースタイル60キロ級見事2位に輝く。また夢に一歩近付いた。

東日本学生リーグ戦(5月17~20日)写真提供:名取勝

絶妙のアンクル!

明治乳業杯全日本選抜レスリング 選手権大会(4月29日~30日)写真提供:名取勝

(提供:早稲田ウィークリー

石田 智嗣(いしだ・ともつぐ)/スポーツ科学部4年

1989年三重県生まれ。スポーツ科学部4年。立命館宇治高等学校卒業。2008年、東日本学生レスリング秋季新人戦優勝。2009年、全日本学生選手権優勝。2010年、全日本学生選手権2連覇、世界学生選手権優勝。アメリカの俳優・ラッパーのウィル・スミスが出演する映画を観るのが趣味。「とにかくかっこいいんです!」と熱弁。