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ペダルにかける親子の“龍”
目指すはプロの競輪選手

佐々木 龍/スポーツ科学部3年

 2011年6月に開催された、自転車競技の全日本学生選手権で、佐々木さんは個人ロードタイムトライアル種目で見事優勝! 1カ月前に落車して、腰を痛めているなかでの快挙だ。「優勝できて、素直に嬉しいです。前日のチームロードでは腰痛でリタイアしてしまって、みんなに迷惑をかけたので、絶対に優勝して挽回したいと思いました」と、しっかりとした口調で語ってくれた。

確信の勝利。握るコブシに力がこもる

 自転車競技は、チーム競技と個人競技に分かれている。それぞれに、一般道を利用するロード競技と、競輪場などを利用するトラック競技があり、競技種目は多岐にわたる。競技中はなんと時速約60km、一般道を走る車と同じぐらいのスピードを出す。チームの先頭を走るときは、自分を目がけて、ものすごい勢いで風が「ぶつかってくる」そうだ。「チーム競技の場合は陸上競技のリレーのように一人ずつ走って合計タイムを争うのではなく、基本的には決められた人数がひとかたまりになって走ります。例えば4人が縦一列になって、先頭を交代しながら走るチームロードタイムトライアルでは、30秒から1分ごとに交代しないと持ちこたえられないほどです」。

レース後の一コマ。勝負が終わればムードも和らぐ

 佐々木さんのお父さんの龍也さんは、プロの競輪選手。いまでも現役バリバリだ。幼稚園児のころからお父さんの練習を見学していたので、自転車競技は身近に感じていた。「自分も乗りたい!」と強く思うようになったのは、小学校卒業のころ。しかしプロ選手として活躍していた龍也さんは佐々木さんに自転車競技を積極的に勧めることはしなかったそう。「自分のやりたいことをやればいい。どんな競技でも基礎体力がまずは大事だ」というアドバイスも受け、中学3年間は野球部で活動。高校に入ってから、本格的に自転車競技を開始した。

 このころ、学校での練習のほかに、お父さんとともにある特別な練習を行っていた。「時速80kmで走る車の後ろに自転車をぴったりとくっつけ、離れないようにひたすら漕ぎまくります。自分の限界以上に力を出し、スピードをつける練習です」。親子の“龍”の特訓は確実に成果につながった。佐々木さんは高校時代に、インターハイ優勝やアジア選手権2位など、華々しい成果を残したのである。

爆発的な推進力はこの大腿二頭筋から

 高校卒業後、いろんな大学から推薦入学の話があったが、佐々木さんはこのころからすでに競輪学校に入学し、競輪選手になるつもりだった。しかし、お父さんは首を縦に振らなかった。「父は、『大学に行っていろんな友だちをつくって、視野を広げてこい。早稲田くらい規模の大きな大学に入ればいろんな経験が積めるぞ』と言いました。プロになるのは大学卒業後でも遅くはないと思って、早稲田大学に進学することになったのです」。

 お父さんの言葉の通り、早稲田にはいろんな仲間がいて大いに刺激を受けた。他の競技の選手の話を聞くことは、自分のモチベーションを高めるのにプラスに働いた。「他の競技でも早大生が活躍している姿を見ると、『自分も負けないぞ』と気が引き締まります。また、競走部の人たちのように、競技のためにストイックな生活をしているような姿を見ると、すごく勉強になりますね」。

 佐々木さんは本学入学以降も国内外で活躍し、特に2年生の時のアジアカップでは、「オムニアム」と「チームパーシュート」というチーム競技で優勝した。自転車部の練習はロードでの乗り込みが中心で、合宿になると一日に約200kmもの距離を走る。これだけ自転車競技にはまっているからか、「オフの日は寮でのんびりDVDを観ながら過ごすことが多いです。まぁ、彼女がいる奴は楽しそうに出掛けていますけどね(笑)」と、ちょっぴり悔しそうに笑う。

 引退後の進路は、もちろんプロの競輪選手だ。「競輪場に観戦しに行くたびに、厳しい世界だなって思います。でも将来、尊敬する父のように活躍できるよう頑張ります!」。大レースを舞台にした、親子の“龍”の対決が待ち遠しい。

(提供:早稲田ウィークリー

佐々木 龍(ささき・りゅう)/スポーツ科学部3年

1990年神奈川県生まれ。横浜高等学校卒業。スポーツ科学部3年。父は競輪選手の佐々木龍也氏。子どものころから父の練習を見学。高校生から自転車競技を開始。国内外の大会で活躍している。オフの日は寮で過ごすことが多いそうだが、「みんなで盛り上がるのが大好きなんです」とのこと。部のメンバーとカラオケに行くと、よく4人組の音楽グループ「湘南乃風」の歌を熱唱するそうだ。