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早稲田の駒に濁りなし!
将棋部の伝統を守る2人の西北の棋士

山田 雄介/社会科学部3年
鈴木 悠子/教育学部3年

 早稲田大学の部活動の中でも、随一の歴史と伝統を誇る将棋部。プロ棋士も所属し、全国でも一、二を争う強豪だ。

 2011年3月に行われた第14回学生将棋選手権・ガールズクラスでは、鈴木さんが5戦全勝し見事大会二連覇を達成。続く5月には、主将の山田さんが学生名人戦※で優勝し、将棋部13年ぶりの快挙をなし遂げた。今年の将棋部は、男女ともに強い。そんな2人が将棋をはじめたのは小学生のころ。鈴木さんは『ふたりっ子』(NHK)というテレビドラマに憧れてはじめた。「インターネット上で対戦相手を見つけられるので、今はプロアマの垣根が低くなっているんですよ。強くなるのに必要なのは“やる気”です」と山田さんは笑顔で語る。

 頭脳のスポーツともいわれる将棋は、日頃の積み重ねがものを言う。「好きだから毎日やらないと気が済まないんです。対局を振り返ることも大切。やりっぱなしでは次につながりません」と山田さん。鈴木さんも「毎日、詰め将棋や問題集を解いています」と、地道に腕を磨いているようだ。

 将棋のことを考えない日はないという2人。その魅力を山田さんはこう語る。「対局の終盤になると、ものすごい量のアドレナリンが出ます。怖くなるくらい頭が高速で回転しているのに、意識は追いついていないという感覚に陥ることがあって、終局が近づくとパッと最後の盤面が見えるんです」。名人のレベルになると、一瞬先の未来を予測する、そんな体験すら味わえるらしい。

学生名人戦。頭を抱えて次の一手をひねり出す

 将棋は孤独な戦いである一方、人付き合いも魅力の1つだという。「子どものころから、大人とも対戦していたのでいろんな年代の人と交流していました」と山田さん。鈴木さんは、今では子どもたちに教えることにも将棋の楽しみを見出している。「大学生になるまでは自分が勝つためだけにやっていましたが、子どもたちが将棋を覚えてくれることが楽しいです」と微笑む。

 山田さんも大学生になって、将棋に向かう心境は変わったのだろうか。「勝ち方にこだわるようになりました。対局には納得がいかない負け方もありますが、相手を祝福したくなるようなすがすがしい完敗もある。自分も相手も全力を出し切る対局が、早稲田大学将棋部の伝統。その伝統を汚さない戦い方をしたいです」。

 学生名人戦に優勝した際には、OB・OGだけに留まらず対戦相手からも祝福の連絡が届いた。そんな山田さんの将棋を、鈴木さんは「綺麗な将棋」と評する。将棋を見ればどんな人かが分かるそうだ。山田さんは鈴木さんの将棋を「負けん気が強そうな将棋」だと笑った。清楚な雰囲気とは反して、対局中の鈴木さんは粘り強く、逆転勝ちをすることが多いらしい。「山田さんとは全然違う打ち方です(笑)」。

 一生の趣味として、将棋を楽しんでいきたいという2人。山田さんは、海外への普及活動や子どもたちへの指導など、将棋界に恩返しをしたいそうだ。山田さん、鈴木さんは、将棋に学び、人生を豊かにしてきた。次の一手は、将棋界への感謝と貢献だ。

相手の一手を見守る鈴木さん

盤上の熾烈な戦い

※2011年度富士通杯争奪全国大学将棋大会(8月13日~15日)で早稲田大学が全国優勝を果たした。

(提供:早稲田ウィークリー

山田 雄介(やまだ・ゆうすけ)/社会科学部3年

1991年大阪府生まれ。大阪府立山田高等学校卒業。社会科学部3年。趣味はカラオケ。十八番はDEEN。「将棋部は根暗だと思われているけど、実際は明るい人が多く、カラオケで盛り上がっています。将棋のストレスは『ヒトカラ』で発散します」。

鈴木 悠子(すずき・ゆうこ)/教育学部3年

1990年静岡県生まれ。静岡雙葉高等学校卒業。教育学部3年。ストレス解消法は「焼肉やスイーツバイキングに行って、思いっきり食べて、おしゃべりします!」。

※学生名人戦 全日本学生将棋連盟主催の大学将棋の一つ。優勝者は「朝日杯将棋オープン戦」のオープン戦にアマチュア代表の一人として出場し、プロ棋士と対戦することができる。