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「逆転の発想」が勝利の鍵
早稲田大学弓道部初の快挙!

岩本 真実/スポーツ科学部4年

 第59回全日本学生弓道選手権大会(インカレ)で、個人戦優勝を決めるステージに、最後まで残ったのは3人。最初に弓を引いた岩本さんは、見事に的中。続く2人が的を外すと、会場が歓喜の渦に包まれた。この瞬間、早稲田大学弓道部史上初、女子個人優勝が決まった。「実は、団体戦は予選で負けてしまって、すごく悔しい思いをして…。早稲田は日本一になれる実力があるチームだし、そのメンバーである私が優勝すれば早稲田の真の実力を証明できる、という強い思いで臨みました」。

矢を放つ一瞬。真剣なまなざしは射の行方を追う

 弓道の競技は、個人戦と団体戦に分かれる。インカレの個人戦は、予選で4射中3射的中させた人が決勝戦に進む。決勝戦はまず『一手(2射)』、弓を引いて2射とも的中させると、順番に1射ずつ引いていく『射詰め』へと進む。『射詰め』は途中から的が小さくなり、難易度が上がる。そして、的を外した人から脱落していく仕組みだ。一方、インカレの団体戦は3人でチームを組み、1人4射、チームで12射し、より多く的中させたチームがトーナメントを勝ち進んでいく。なお団体戦は、1カ月ぐらいのスパンで戦うリーグ戦もある。

 試合では、ピンと張りつめた空気の中で矢を射らなければならない。想像するだけでも緊張してきそうだが…。「私は試合前に、自分は絶対に外す! って思うようにしています。良いイメージではなく最悪のケースを考えておくことで、いざ的の前に立った時に落ち着いて矢を射ることができるんです」。岩本さんのこの「逆転の発想」が、インカレでの勝利を呼んだのだ。

自分の“射”に集中する

 早稲田大学に入学したのは、文武両道で学生生活を送れると思ったから。「先生や父もそう言って勧めてくれました。実際に、野球の野村克也氏など著名な指導者の指導方法を取り上げる深見英一郎先生(スポーツ科学学術院准教授)の『スポーツ指導論』という授業で学んだことは、競技する上でも後輩を指導する上でも役に立っています」。

 4年生の最後のシーズンを前に、的中率の向上を目指して、自分の型を変えた。しかし、シーズンが始まった時点で、的中率は1割に満たなかった。「周りの人は、心配してくれました。でも私は、練習時に的中しても、試合で中てられなければ意味がないと考えています。ですから、的前での練習よりも、まずはきちんと型をつくるべく、的のない巻わらを目がけて矢を射る練習を地道に繰り返しました」。

 有言実行とはまさにこのこと。大会に調子をピークに持っていき、6月の第41回全関東学生弓道選手権大会では団体優勝に貢献。続く8月のインカレでは、冒頭に述べた通り早稲田大学弓道部初の個人優勝という快挙を成し遂げた。

 自らを冷静に分析して行動し、着実に結果を出してきた岩本さん。弓道は他人と競うことではなく、自分と戦うことだと言う。「引退後は人と競うのではなく、自分と向き合うために弓道を続けていきたいと思っています」。弓道で得た「逆転の発想力」を今後は社会でも発揮してくれることだろう。

第59回全日本学生弓道選手権大会優勝後。試合中の真剣なまなざしと打って変わって、この笑顔

女子弓道部員の皆さん。岩本さんは2列目左から2番目

(提供:早稲田ウィークリー

岩本 真実(いわもと・まなみ)/スポーツ科学部4年

1989年愛知県生まれ。愛知県立豊明高等学校卒業。スポーツ科学部4年。弓道をはじめたのは高校から。2011年の全日本学生選手権では、早稲田大学弓道部史上初となる、女子個人での優勝を果たした。好きな食べ物は、チョコレート。好きな映画は『海猿』シリーズ。「主演の伊藤英明が大好きです。あの“筋肉美”は芸術的ですよ!」
※岩本さんには、別冊WASEDA WEEKLY『新鐘(旅)』にもご登場いただいています!