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祖母の夢を受け継いだ書道ガール
伊勢神宮奉納書道展で総裁賞を受賞!

横山 愛聖/法学部2年

 「いつか私が日本一を取るよ」。9才だった横山さんが入院中の祖母と交わした最後の言葉だった。その後、横山さんは祖母との約束を果たすため、一心に書道に打ち込み、第50回伊勢神宮奉納書道展の最高賞の一つ、総裁賞を見事受賞。名だたる書家が参加する一般の部で、大学生としては異例の快挙を成し遂げた。

 書道教室の先生だった祖母の影響で5才のころから筆を握り始めた横山さんは、受け継いだ書の才能と持ち前の一途な性格で小学校・中学校・高校と全国区の書道コンクールで名だたる賞を次々と獲得していく。「祖母の夢は全国書道展で、文部科学大臣奨励賞を獲得することでした。祖母が果たせなかった夢は、私が必ず果たすと約束したので、迷うことなく書道一筋に情熱を注いできました」。

総裁賞を受賞した作品と

 夢に向かい、すべて順調に進んでいるかのように思えた横山さんだったが、大学生になって初めて挑んだ大会で挫折を経験することに。「大会までの4カ月間、寝る間も惜しんで書き続けました。それでも落選してしまったので、自分には才能がないのではと痛感しました」。大学生になると、「学生の部」ではなく「一般の部」に応募することになる。その違いが大きな壁として立ちはだかった。「今までは誰が見てもきれいな字を書写すればよかったのですが、一般の部では感性が求められるようになります。評価基準が変わるのでそれに対応するのがとても難しくて悩みました」。そんなとき、高校時代の教頭先生から、卒業生代表として大隈記念講堂で行われる母校・早稲田実業学校高等部の進学説明会に参加してほしいと依頼された。「高校時代、書道と学業を両立していたことを認めてくださっていたのが本当にうれしくて…。このことがきっかけで、再び前を向くことができました」。

 横山さんの書道に懸ける思いの強さは普段の練習でも並々ならぬ集中力を発揮させる。「大会前はほとんど一日中、筆を握っています。書いているときは、周囲の物音も耳に入らなくなります。暑さも感じなくなって、後から汗だくになっていることに気が付くこともありました(笑)」。

 感性を磨くことは、いろいろなことにアンテナを張ることだと語る横山さん。受講した講義からもたくさんの刺激を受けたという。「オープン科目の講義であらゆる分野の芸術家やスポーツの専門家のお話を聞けたことはとてもいい経験でした。講義の中で、芸術作品を通して病気に苦しむ人たちを癒やしていこうとする活動『アート・イン・ホスピタル』の存在を知り感動しました。私は、書には人を癒やす力があると信じています。いつか自分の書で病気に苦しむ人や心を痛めている人を癒やせればすてきですね。私が見つけた新しい夢です」。

 書の力を信じ、数千、数万枚の半紙に思いを乗せ、技と感性を磨き続けた横山さんは、ついに作品「松静鶴留声」を書き上げ、伊勢神宮奉納書道展で総裁賞を受賞した。「ようやく日本一の賞を取ったよ! おばあちゃんの夢に私の作品が並んだよ!」。祖母との約束を果たした後も、筆を握り続ける横山さん。その思いは「書で人を癒やす」という新たな夢を叶えるまで冷めることはない。

伊勢神宮奉納書道展、会場内

(提供:早稲田ウィークリー

横山 愛聖(よこやま・あき)/法学部2年

東京都出身。法学部2年。早稲田実業学校高等部卒業。書道家を目指すと同時に、弁護士になることを目標に勉強している。「法の知識と書の心を持った法曹人として社会に貢献することが夢! 今年も全国書道展にチャレンジしていきます!」。好きな食べ物はティラミス。好きな映画はもちろん『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』。