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明治杯全日本選抜選手権で初優勝!

田中 幸太郎/社会科学部4年
大坂 昂/スポーツ科学部3年

 この夏のロンドン・オリンピックで男女共に強さを見せつけた日本のレスリング。改めてレスリングの魅力にはまった人も多いかもしれない。実は日本で最も歴史が古いレスリング組織は、1931年に創部された早稲田大学レスリング部。現在も大学レスリング界をリードする強豪で、全国から出稽古にやってくる高校生たちの憧れの存在だ。主将の田中さんと大坂さんもその雰囲気に魅せられ、迷わず早稲田大学に進学した。

明治杯の決勝戦。先輩・石田智嗣選手を持ち上げる田中さん

 2012年6月の明治杯全日本選抜選手権大会では、田中さんが男子フリースタイル66kg級、大坂さんが男子グレコローマン96kg級で共に初優勝を飾った。「大会では昂(大坂さん)が先に優勝を決めたので、やりやがったなぁ! とうれしくなり、勇気付けられました」と田中さん。個人競技であっても、部としての一体感は強い。大坂さんも「試合中はみんなの応援が力になる」と言う。今大会では、二人とも目標としていたライバルに初めて勝ったことで、特別な意味を持つ大会となった。大坂さんは高校時代から負け続け、一度も勝ったことがない有薗拓真選手(ALSOK)に初めて勝つことができた。「一方的にライバルだと思っていたので、達成感がありました!」とうれしそう。田中さんは早稲田大学を昨年卒業したレスリング部の元エース石田智嗣選手(警視庁警察学校)に初勝利。異例の同門対決だった。「先輩の胸を借りたという感じです。試合内容では負けていたので、運が良かったのだと思います」。「先輩同士の対決は、どちらを応援すればよいか、複雑な心境でした」と大坂さんも感慨深げだ。ライバルの存在は強くなるための必須条件。相手を研究することで、技が磨かれる。

 東伏見にあるレスリング部の寮には、その日の体重を記入するためのボードがある。一日でも忘れると階段ダッシュのペナルティが課せられるそうだ。アスリートにとって体重コントロールはつらいことの一つ。試合前に減量して計量に臨むパターンが多いが、田中さんと大坂さんは、体を鍛えて大きくしている時期のため、逆の増量組。「増量もつらいんですよ。満腹状態からさらに食べなければならないので…」とのこと。レスリング部員たちが、疲労や体重調整と闘いながら、厳しい筋肉トレーニングで作り上げた逞しい体格は、並々ならぬ努力の賜物である。

 レスリングへの向き合い方は、人によってさまざまだ。「毎日が葛藤の連続。どうすれば勝てるのか、研究に余念がない」と言う田中さんに対し、大坂さんは「僕は練習が終わるとすぐ切り替えられる。だから続けていられるのかも」と大らかに笑う。しかし、練習が始まれば、二人ともストイックに強さを追求する。「少しでも妥協したら強くなれない」と田中さん。「練習も、本番も同じだと思っているから緊張する」と大坂さん。試合で後悔したくないという一心で、とことん自分を追いつめている。11月9日〜11日に行われた内閣総理大臣杯全日本大学レスリング大会では、田中さんは66kg級で優勝、大坂さんは96kg級で3位の成績を収めた。心身共にタフな男たちが次に狙うのは、12月の天皇杯全日本選手権。4年後のリオデジャネイロ・オリンピックの出場に向けて、一つ一つの試合が今まで以上に真剣なものとなるだろう。

練習後の様子。右が大坂さん、左が田中さん

明治杯決勝戦。宿敵・有薗拓真選手を押さえ込む大坂さん

レスリング部の仲間たちと。田中さんは2列目の右端

(提供:早稲田ウィークリー

田中 幸太郎(たなか・こうたろう)(右)/社会科学部4年

京都府出身。社会科学部4年。京都八幡高等学校卒業。幼稚園のときから習い事の一つとしてレスリングを始め、頭角を現した。2012年全日本学生選手権ベスト8。寝ることが好きで床で熟睡していることも多い(寮で同室だった大坂さん談)が、最近は寝具にこだわっているようだ。

大坂 昂(おおさか・あきら)(左)/スポーツ科学部3年

秋田県出身。スポーツ科学部3年。秋田商業高等学校卒業。中学では柔道をやっていたが、高校からスカウトされレスリングを始めた。2012年全日本学生選手権優勝(二連覇)。雪国出身ということもあり、趣味はウインタースポーツ。