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震災の風化を食い止める、
気仙沼と早稲田をつなぐ強い絆。

WAVOC 気仙沼チーム
若山 修也/人間科学部3年
牧野 圭佑/人間科学部3年
田中 裕子/先進理工学部2年

 東日本大震災から2年が経った今もなお、宮城県気仙沼市に通い続けて、ボランティア活動を行う学生たちがいる。平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)の東日本大震災復興支援プロジェクトをきっかけに結成された「気仙沼チーム(学生チーム)」の面々だ。えんじ色のウエアを着た早大生の姿は、この数年ですっかり気仙沼のおなじみの光景になった

 早大生は、震災直後から、さまざまな被災地でボランティア活動を行ってきた。気仙沼市には校友が多く、悲惨な状況下にも関わらず、いつも早大生を温かく迎えてくれた。縁が重なり、2011年9月、学生たちが主体となり継続的な支援を行う気仙沼チームが発足。以来、東京と気仙沼を行き来している。

現在の活動メンバーは約20名。新入生からも積極的にメンバーを募集している。

 約20名いるメンバーの参加動機はそれぞれだ。現リーダーの若山さんは、結成当初からチームの活動に参加する古参メンバー。「震災当日は高校の卒業式でした。人生の節目に震災を体験したこともボランティア参加の大きなきっかけですが、震災当初はとにかく自分が何かをしていないとつらかった。そんな折に早稲田大学に入学し、WAVOCのボランティアバスに乗って初めて被災地の様子を目の当たりにしました」と、当時を振り返る。

 気仙沼チームのこれまでの主な活動は、大きく三つだ。一つ目は、仮設住宅に暮らす住民同士の交流の場になればと、毎月開催している「お茶会」。二つ目は、気仙沼を観光の観点からサポートする「観光案内」。そして三つ目が、夏休みなどを利用して行う「学習支援」。昨秋からチームに参加する田中さんは、気仙沼での活動の魅力を次のように話す。「最初は、責任感みたいなものがありましたが、今は、また気仙沼に行きたい、あのおばあちゃんにまた会いたい、そんな気持ちです。もう行くことが自分の中で“当たり前”になっています」。そして、メンバーの牧野さんも次のように続ける。「継続して来てくれるのは早大生だけだと言ってもらえるとうれしいですし、お茶会の楽しい時間が生き甲斐だと言ってくださる方もいる。『震災は全てを奪っていったけど、震災がなければあなたたちと出会えなかった』という言葉が今でも心に響いています」。

 約2年の活動を経て、チームは“震災の風化”を食い止めることに全力を挙げている。気仙沼の人たちに長く寄り添うことが、チーム結成時のメンバーの思いだからだ。「震災直後であればすぐに人が集まりましたが、今はそうはいきません。多くの人を巻き込むためには伝え方も工夫する必要がある。今後は、新入生の皆さんにも“参加したい”と思われるような企画を打ち出していこうと思っています」と、若山さん。そして、活動資金の援助を行う早稲田サポーターズ倶楽部への感謝も忘れない。現地の宿泊場所を提供してくれるのも校友だ。

 最初は、責任感から始まったボランティア活動。結成から1年半が経ち、「大好きな気仙沼の“いま”を多くの人に伝えたい。一緒に考えていきたい」という熱い思いが、彼らを突き動かしている。

観光案内所での活動の様子。オリジナルのサイクリングマップを作成。市からの依頼で観光客へのアンケート調査も実施している。

お茶会では、小さい子どもたちとの交流も。

震災直後は、がれき撤去などの作業も行った。

(提供:早稲田ウィークリー

WAVOC 気仙沼チーム

若山 修也(わかやま・しゅうや)(左)/人間科学部3年

埼玉県出身。さいたま市立浦和高校卒業。この4月より、WAVOC気仙沼チームの新リーダーに就任。

牧野 圭佑(まきの・けいすけ)(中)/人間科学部3年

愛知県出身。愛知県立刈谷高校卒業。チームのブログで気仙沼のグルメ情報を発信。おすすめはホルモン!

田中 裕子(たなか・ゆうこ)(右)/先進理工学部2年

東京都出身。私立雙葉高校卒業。活動のモットーは、気仙沼に“家族”をたくさんつくること。