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並み居る強豪を撃破し、
全日本学生馬術選手権大会で優勝!

照井 駿介/政治経済学部 卒業

 スポーツ強豪校として知られる早稲田のなかでは知名度の高くない馬術部。部員の多くは大学から競技を始める初心者だけに、経験者がひしめく強豪校と並ぶと今一歩。そんな馬術部が快挙を達成した!

 昨年12月、第84回全日本学生馬術選手権大会(以下、選手権)において馬術部主将の照井駿介さん(当時政経4年)が優勝。1956年、校友の故・楠山薫二郎(1957年政経卒)の優勝以来、56年ぶりに栄冠を手にした。

 「最後のチャンスなので、ここは勝たなくてはならないと思っていました」。

 当時をこう振り返る照井さん。選手権は、演技を行う「馬場」と柵を飛越する「障害」で騎乗技術を競う。馬は大会側が用意するので、問われるのは純粋に乗り手の腕。日本代表チームの一員として世界大会出場の経験も持つ照井さんだが、選手権では過去3年、好成績を残せていなかっただけに、前評判は高くなかった。それでも負けられないと思ったのは後輩のため。

昨年8月ドイツで行われた世界大学馬術選手権に日本代表選手として出場。2010年韓国大会に続いての選出となった。

 「主将になってからは部員の士気を高めることを常に考えていました。後輩たちへの思いが選手権で優勝する原動力になっていたと思います」。

 主将としての務めを果たすべく、大会前、講習会に参加し騎乗技術に磨きをかけたという照井さん。充実した練習が結実し、学生生活最後の大会で学生トップレベルの実力を証明した。

 だが本人は満足していない。それどころか「今の仲間と団体戦で勝ちたかった…」と悔しさすらにじませる。理由は彼の生い立ちに隠されていた。

 照井さんは実家が乗馬クラブを営む馬術界の“サラブレッド”。中学2年生のとき、馬術大会でクラブの所有馬が活躍したことに感動し、馬術選手を志した。高校時代は学校と乗馬クラブを往復する毎日。クラブに行ける時間が減るのを恐れ、大学進学後も部活に入らないつもりでいた。だが、「違う世界も知った方がいい」という父親の勧めもあり、馬術部への入部を決める。

 馬術部は案の上、厳しい世界だった。部員は学業の傍らシフトを組み、東伏見にある馬房に泊まり込みで馬の世話に当たる。朝の5時にエサを与え、7時から練習。夜9時に再びエサを与えるというハードスケジュール。また、部の運営のほとんどが学生に委ねられているため、練習メニューの作成はもちろん、団体戦に出場する選手の選抜までも自分たちで行う。そのまとめ役を担う主将の重責は想像を絶するものだった。だが、照井さんは「部活に入って本当に良かった」と回顧する。苦労を共有できる仲間と手塩にかけて育てた馬というかけがえのない財産が得られたからだ。彼らへの思いが強い分、個人戦ではなく部員と管理馬で臨む団体戦で結果を残せなかったことが悔しい。だが、これも部活に入らなかったら味わえなかった気持ちだろう。

 この春から照井さんはドイツに向かう。本格的に競技に取り組むべく、馬術の本場に留学し騎乗技術を向上させるのだという。「目標はドイツでマイスターの資格を取得することと、オリンピックに出場することです」と志は高い。さらなる飛躍を誓う照井さんに、将来、五輪での活躍を期待したい!

優勝を飾った、全日本学生馬術選手権大会準決勝での障害レース。

照井さんの担当馬。馬術競技を続ける根底には馬への深い愛情が。

(提供:早稲田ウィークリー

照井 駿介(てるい・しゅんすけ)/政治経済学部 卒業

 東京都出身。早稲田大学本庄高等学院卒業。実家の乗馬クラブにて、中学3年生より馬術を本格的に開始。数々の大会で優秀な成績を収める。大学時代は馬術部の主将を務め、第84回全日本学生馬術選手権大会にて優勝。