早稲田大学の教育・研究・文化を発信 WASEDA ONLINE

RSS

YOMIURI ONLINE

ホーム > 教育 > ぴーぷる

教育

▼ぴーぷる

略歴はこちらから

国体では、日本新記録も樹立!
再びの学生チャンピオンを目指して。

蛯原 綾乃/スポーツ科学部3年

 早稲田大学に入学してわずか半年、1年生の秋にインカレ(全日本学生ライフル射撃選手権大会)でいきなり優勝を手にし、学生チャンピオンに輝いた。女子選手としては創部史上初の快挙である。その後、順風満帆にいくと思われた蛯原さんの競技生活だが、なかなか満足のいく結果を残せなかった。「私、一発屋なところがあるんです。たまにポンと高い点を出して優勝することもありますが、さらにレベルアップするには、もっと安定して高得点を出せるようにならなければ」と、自身の課題を分析する。あくまでも客観的に自分を見つめる眼差しが印象的だ。

90年近い歴史を持つ射撃部。練習は東伏見キャンパスで行っている。大学からライフル競技を始める部員も多数
写真提供:早稲田スポーツ新聞会

 蛯原さんの競技への取り組み方を聞いていると、一般的なアスリートのそれとは少し違う印象を受ける。そもそも射撃にのめり込んだ理由も実にユニーク。「協調性がない性格で、ずっと団体競技が苦手でした。そんなときに出会ったのが射撃です。マイペースにやっていけますし、試合時間も1時間以上あるので、撃っている最中、いろいろ考え事ができるのも自分に向いているなと」。試合中は、趣味のイラストや油彩画のアイデアを練ったり、さまざまな空想を膨らませたりと、頭の中で“一人遊び”をしているのだとか。

 そんな独特の“射撃観”を持つ蛯原さんだが、負けず嫌いな性格と、高校時代の厳しい練習が彼女を一流の射撃選手に育て上げた。そして、高校最後の大会では全国優勝を果たすまでに。その後、高校時代の監督が早稲田出身だったこともあり、早稲田大学に進学した。「大学に入ってすぐにインカレで優勝することができましたが、その後は調子を落とすことも多々あり、まだまだ“波”がありますね。いいときも悪いときも、ひたすら撃ち続けるしかありませんから、特に焦ることもなく、淡々と練習を繰り返しました」。

 人知れず重ねた鍛錬が一気に花開いたのは、昨年10月に行われた国体でのこと。地元の茨城県代表として出場し、立射と伏射、共に10m40発の部で二冠を達成。伏射では日本新記録をマークした。「そのときに気付いたことなんですが、『日めくりカレンダー』をめくるように淡々と撃てばいいんだなって。一発一発に一喜一憂することなく、失敗してもすぐ切り替える。そう思えるようになってから、徐々に結果が付いてくるようになりました」。

 蛯原さんの目下の目標は、安定した成績を残して、ナショナルチームのセレクションに参加すること。いつかは日本代表入りし、世界の射撃競技の環境を見て回りたいそうだ。「射撃は、私を早稲田大学に連れてきてくれました。大学で大好きな歴史の授業を受けたり、部活で新しい仲間に出会えたりしたことも射撃のおかげ。これからも射撃は、私を世界中のいろいろな場所に連れていってくれると信じています」。

 その足掛かりとして、来月には東日本学生ライフル射撃選手権大会が行われる。国体のときのように自然体で臨むことができれば、自ずと結果は付いてくるはずだ。蛯原さんの“射撃”は、今後、彼女をどんなところへ連れていってくれるのだろう。

火薬を使用するスモールボアライフル競技の射撃場

競技中は、狙いを定めるための照準眼鏡を装着している

ライフル射撃の競技時間は1時間以上。
その間、選手たちは標的に向かって淡々と撃ち続ける

(提供:早稲田ウィークリー

蛯原 綾乃(えびはら・あやの)/スポーツ科学部3年

茨城県出身。県立竜ヶ崎第一高校卒業。サバイバルゲーム好きの父親の影響で、高校から射撃競技を始める。趣味は、幼少期から続けているイラストと油彩画。今年は、ユニバーシアード代表に選ばれることを目標にしている。