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学生最強ランナー、最後の箱根に挑む!
目指すゴールは、箱根路のはるかかなた

大迫 傑/スポーツ科学部4年

 正月の風物詩、東京箱根間往復大学駅伝競走(以下、箱根駅伝)まであと半月。競走部のエースとして活躍が期待される大迫さんは、1年次に早稲田大学の大学駅伝三冠に貢献し、その後も箱根駅伝で区間賞を2年連続で獲得するなど、輝かしい成績を残す“学生最強ランナー”だ。大会本番を目前にして部内の士気が高まる中、大迫さんの見据える先は、箱根路のはるかかなた。オリンピックの1万メートルで世界のトップ選手と渡り合うことを目標に掲げている。すでに今年の8月には、モスクワで行われた世界陸上の1万メートルに出場。結果は21位と振るわなかったが、世界陸上での目的は勝つことよりも、世界との差を肌で感じること。今後の課題を探る上で、大きな収穫を得たレースとなった。

大学駅伝三冠を達成した「第87回箱根駅伝」の閉会式。大迫さん(中段左端)は1区区間賞を獲得。このときはまだ1年生

 このように大学生ながらも世界の大舞台で経験を積む大迫さんは、競走部から離れて、単独でのトレーニングや海外合宿を行うこともしばしばあるという。「部員それぞれの実力も違えば、目指している大会も違うので、同じ練習を行うことの方が不自然なのかもしれません。僕の場合はトラックで勝つことに照準を合わせているので、駅伝のためのトレーニングはほとんどしていないんです。でも不安はありません。自分の設定した練習をきちんとクリアしていれば、おのずと駅伝でもしっかり走れるという信念があるからです」。他の部員たちと共に練習する時間は少ないが、あえて距離を保つことで、仲間にいい緊張感や刺激を与える、そんな存在でありたいと話す。

 大学生ならば、目先の大会を目標にしたり、レースの結果で一喜一憂するのは当たり前のことだろう。まして箱根駅伝ともなれば、自然と力が入るのも無理はない。しかし、大迫さんの語り口からはまったく気負いが感じられない。長期的な視野を持ち、淡々と日々のトレーニングを重ね、物事を客観視することに長けている。つまり、自分で考えて行動し、その全てに責任を持つ―。ランナーとして成功するためには必要なことかもしれないが、やはり同世代の選手と比べると、頭一つ抜けている印象を受ける。生まれ持った資質なのだろうか。「いえいえ、高校の時は与えられたメニューをこなしているだけでした。でも早稲田では部員の自主性が尊重されるので、自分でいかに考えて取り組んでいくかが大事なんです。早稲田に入学してから自分が一番変わった部分だと思います」。

 そして最後の箱根では、大学駅伝の伝統校を率いる主将として、大迫さんはその重責を担う。チームの目標は優勝だけだ。「箱根駅伝のために4年間頑張ってきた仲間もいます。目標は違えど、そこに対する真剣な気持ちは、僕と何ら変わりません。自分の失敗でレースを壊してしまう可能性もありますから、まずは自分の最高の走りをしたい。これまで支えてくれたチームのために襷(たすき)をつなぎます」。卒業後は、実業団の強豪チーム、日清食品グループ入りが決まっている大迫さん。箱根での活躍を置き土産に、次はリオ五輪への道を全速力で駆け抜ける。

第97回全日本選手権1万メートルで2位に入り、世界陸上モスクワ大会の切符を手にする

合宿風景。レース中には見せないリラックスした姿

単独での練習が多い大迫さんにとって、駅伝メンバーとの調整練習は貴重な時間

写真提供:早稲田大学競走部

(提供:早稲田ウィークリー

大迫 傑(おおさこ・すぐる)/スポーツ科学部4年

東京都出身。佐久長聖高等学校卒業。中学で陸上を始めると、高校でその才能が一気に開花。その後、1万メートルで日本学生最高記録を樹立し、2013年には世界陸上にも出場。日本陸上界の新星として注目を集める。