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学生王座を制して15年ぶり日本一に!
学生将棋の醍醐味(だいごみ)は“団体戦”にあり

早稲田大学 将棋部
寺尾 侑也(右)/基幹理工学部4年
高橋 海渡(左)/教育学部2年

 昨年12月、将棋の学生団体日本一を決める「学生王座戦」で将棋部が15年ぶり7回目の優勝を果たした。「学生王座戦は、10大学による総当たりのリーグ戦で、試合ごとに選抜された7人が一斉に対局を行う。全国の地区予選を勝ち抜いた強豪校がひしめく中、早稲田は9戦全勝。完全優勝を成し遂げた。

団体日本一を争う「リコー杯」。主力選手が大雪の影響でまさかの欠場という中、強敵相手に粘り強く戦う寺尾さん

 昨年度の主将を務めた寺尾さんは、王座戦を次のように振り返る。「実力が拮抗(きっこう)する東大と京大に競り勝てたのが全てです。最終戦は優勝候補の立命館大が相手でしたが、こちらが1勝した時点で優勝だったので、リラックスして臨むことができました。大舞台の重圧にのみ込まれることなく実力を発揮できたのが優勝の要因だと思います」。そして当時1年生ながらチームで唯一9戦全勝と優勝に大きく貢献した高橋さんが続ける。「次の大会では、学生名人の山田(雄介)先輩が卒業してしまうので、優勝するなら今年しかないなと思ってました。ただ自分でも驚くことに、個人戦と比べてかなりプレッシャーを感じました。このドキドキ感は“団体戦”ならではです」。

 高橋さんが言うように、将棋で“団体戦”というのはあまりなじみがないかもしれない。やはり将棋というと、己の頭脳を武器に数十手先を読み合う1対1の真剣勝負—。そんな個人競技としてのイメージを持つ人が多いだろう。それは寺尾さん、高橋さんにとっても例外ではなかった。二人はかつて本気でプロ棋士を目指していたほどの実力者。寺尾さんは、小学生のころから全国大会で優秀な戦績を残し、一方の高橋さんも「高校竜王」を連覇した。名の知れたアマチュア棋士として輝かしいタイトルを自身の手でつかんできた二人にとって、“団体戦”は未知の領域だった。

 「大学まで一度も団体戦を指したことがありませんでした。団体戦は自分が勝ってもチームが負けることもありますし、その逆もしかり。将棋にチームワークが必要だなんて、以前は考えもしませんでした」(寺尾さん)。「団体戦のときはなおさら“負けられない”という気持ちになります。どんなに形勢が悪くても最後の最後まで投了するわけにはいきません。他の対局に影響が出てしまいますから」(高橋さん)。

 寺尾さんや高橋さんをはじめ、個性派がそろう将棋部。日頃から各自のスタイルで研鑽(けんさん)に励んでいるが、大学将棋を経験する中で“チームワーク”という新しい武器を手に入れ、さらなる快進撃を続ける。社会人日本一のチームとアマチュア団体日本一を競う「リコー杯アマチュア将棋団体日本選手権」で、名門のリコーを4勝3敗の僅差で破ったのだ。こちらも17年ぶりの快挙である。

 入部早々に大きなタイトルを手にした高橋さん。燃え尽きてしまったなんてことはないのだろうか。「全然ありません(笑)。小学生から将棋を指していますが、いまだに勝つためのコツが分からない。その深さが魅力なんです。早稲田には強い人がたくさんいますので、自分もまだまだ強くなれると確信しています」。若き棋士たちが集う将棋部のさらなる飛躍が楽しみだ。

三重県四日市市で行われた「学生王座戦」にて優勝を果たした将棋部のメンバー

部室では部員同士の対局の他、詰将棋や定跡研究などが日々行われている

合宿の様子。部内戦の成績から番付が決まるので一戦一戦が真剣勝負

(提供:早稲田ウィークリー

寺尾 侑也(右)(てらお・ゆうや)/基幹理工学部4年

福井県出身。県立藤島高等学校卒業。2013年度主将。高校時代には「準高校名人」に輝く。得意な戦法は“矢倉”で、めりはりのある棋風が特徴。

高橋 海渡(左)(たかはし・かいと)/教育学部2年

新潟県出身。県立新潟高等学校卒業。高校時代には「高校竜王」を連覇。大学では自分のスタイルがないと勝てないと考え、現在は“振り飛車”を特訓中。