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ソチ五輪で男子フィギュア初の金メダル
早稲田での学びを生かし競技人生を歩む

羽生 結弦/人間科学部通信教育課程2年

 ソチ冬季五輪、フィギュアスケート男子シングルにおいて日本勢初となる金メダルを獲得した羽生さんが、4月24日(木)に早稲田大学を訪れ、鎌田薫総長にこれまでの活躍を報告した。通信教育課程(eスクール)に在籍しているため、キャンパスを訪れるのは初めて。「今までは写真でしか見たことがなかったので、ようやく来られてうれしいです。とても大きな大学ですね」とその印象を語った。

 早稲田大学への進学を選んだ理由は、高校の先輩であり最も尊敬するスケーターの一人、荒川静香さんがきっかけ。「トリノ五輪で金メダルを取った荒川さんが、早稲田出身だと知りました。アスリートは競技に没頭しているから、社会性を身に付ける機会が少ないと思うんです。でも荒川さんはとても知的で人間性のある、憧れの存在。だから僕も、荒川さんと同じ大学で学びたいと思ったのです」。

鎌田薫総長と握手を交わす。グランプリファイナル・五輪・世界選手権の三冠達成という、自身の活躍を報告した

 シーズンに入れば毎日長時間の練習に励む羽生さんだが、その合間にeスクールでの勉学にも積極的に取り組んでいる。インターネットで配信される講義の動画を視聴し、課題やレポートもパソコンから送信。そんな早稲田大学の通信課程だからこそのメリットもたくさん感じているそうだ。「練習が終わってからすぐに、どこでも勉強できるのは負担も少なくて便利ですね。『心理学』や『感覚情報工学』の科目はスケートと直接つながる学問なので、特に好きな教科です」。

 その学びが、競技力の向上にも結び付いている。例えば、大舞台に臨むメンタルの保ち方。試合の前には、必ずイヤホンで音楽を聴いて歌を口ずさむ。周囲の音をシャットアウトし、心の底から楽しい気持ちをつくり出すことで、集中を高める。この習慣も、講義がヒントの一つとなったようだ。

 ポジティブなイメージを維持したまま勝負のリンクへ向かうが、もちろん思いどおりの滑りができないこともある。しかし羽生さんは慌てない。常に平常心を維持し、今持っている全力を尽くすことだけを考える。その強靭(きょうじん)精神力が、彼の強さの一つだ。

 また、フィギュアスケートは難しい技を披露することが全てではない。技術を磨きながら、芸術性と表現も共存させなければいけない。「勝つだけではなく、お客さんを魅了しないといけないのがフィギュアの難しいところ。でも、それが一番面白い部分でもあるし、楽しめるかどうかは自分の探究心次第。僕は早稲田で勉強することで表現の幅も、技術も、心の整え方も研究することができました。皆さんにこうして良い報告ができてうれしいです」。

 自身の活躍について、そう生き生きと語ってくれた羽生さん。これから大学でやってみたいことは?という質問には、こう答えてくれた。「実は、早稲田祭に行ってみたいんです(笑)。11月はシーズン中なので難しいのですが、競技が落ち着いたころや引退した後でもいいので、いつか参加してみたいですね」。

 持ち前の技術と芸術性、そして早稲田で培う探究心を武器に、2018年の平昌(ピョンチャン)五輪での連覇を目指す。

報告会ではWASEDA BEARからぬいぐるみを手渡される場面も

大隈庭園を散策し、はにかみながらWピース

(提供:早稲田ウィークリー

羽生 結弦(はにゅう・ゆづる)/人間科学部通信教育課程2年

宮城県出身。東北高等学校卒業。競技前に集中力を高めるために聴く音楽はBUMP OF CHICKEN、back number、The Sketchbookなど。試合会場に持ち込むこともあるほど「くまのプーさん」グッズが大好き。