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けがを乗り越え、涙の日本一!
主将とエースが振り返る苦難の4年間

バスケットボール部女子
神﨑 由香(左)/スポーツ科学部4年
桂 葵(右)/社会科学部4年

 1分15秒。2014年の全日本大学選手権で、バスケットボール部女子の主将・神﨑さんがコートに立った時間である。短く思えるが、これが、早稲田大学で過ごした4年間の輝かしい集大成となる。

 神﨑さんは高校時代に全国大会の準優勝チームで主将を務め、大学でも活躍を期待されてバスケットボール部女子に入部。だが2年次に膝の靭帯(じんたい)を断裂し、半年以上のリハビリを要してしまう。何とか復帰するも、翌年には半月板を損傷して再び長期間のリハビリへ。「体育館に行くのも嫌だった」と、度重なる大けがに心が折れそうになっていた。「でも同じようなけがを経験した先輩が、一切弱音を吐かなかったんです。だから私も頑張って、絶対コートに返り咲こうと思いました」。リハビリを乗り越えた2014年、それまで出場機会に恵まれなかった神﨑さんが、チームの主将を任される。コーチ陣も選手も、全員一致の意見だった。

 「みんなが自分のことに精いっぱいだった入学当初から、神﨑はチームを引っ張る意識を持っていました。先輩後輩からも信頼されていたし、主将は彼女以外には考えられなかった」。そう語るのは、チームのエースである桂さん。

 「神﨑はうっとうしいくらい熱い人。私とは正反対の性格で、私がどんなに反発しても向き合って、変化を求めてくれた。彼女がいたから、今の私がある。私の人生を変えてくれた人です」。

インカレ決勝戦。「試合中は絶対泣かない」と決めていた神﨑選手が、試合終了後はあふれる涙の中で胴上げされた
撮影:柴田健司

 復帰した神﨑さんの活躍もあり、早稲田は関東大学女子リーグ戦を初優勝し、王者として全日本学生選手権に臨んだ。だが、その直前に神﨑さんはまたもけがに見舞われる。出場が絶望視され、チームにも重苦しいムードが漂ったが、神﨑さんは下を向かなかった。

 「私が悲しい顔をしたら、みんなもつらくなる。だから絶対に泣かないし、全力でみんなをサポートしようって決めたんです」。その姿にチームは再び一丸となり、盤石の戦いで決勝まで駒を進める。「だって、負けるわけにはいかなかったんです。神﨑は試合に出られず悔しいはずなのに、誰よりも笑顔で、主将としての姿勢を貫いていて。だから日本一の瞬間は、彼女をコートに立たせてあげたかった」。

 その言葉どおり、決勝では実力が拮抗(きっこう)しているはずの白鷗大学に大差を付ける。そして残り1分15秒、神﨑さんが今大会初めての出場を果たした。

 「ずっと、『みんな頼もしいな、このチームに入れて良かったな』って思いながら試合を見ていたんです。だから最後に自分が出場することになって、頭が真っ白になっちゃいました」。

 歓喜の瞬間を、神﨑さんはコートで味わった。苦しい出来事を全員で乗り越えてつかんだリーグ戦からの2冠。だが、桂さんは複雑な感情も抱いていた。「いよいよ終わってしまったなって。これ以上ない結果が残せたけど、もう神﨑と試合に出られないと思うと、ちょっと悲しかった」。

 神﨑さんは大粒の涙を流しながら「桂たちチームメイトが支えてくれたおかげ」と何度も繰り返した。つらいことの連続だったが、最後に栄冠を手にしたこの4年間を、彼女たちはきっと一生忘れることはないだろう。

インカレ決勝戦で22得点を決めた桂選手は、大会最優秀選手に選出

萩原美樹子ヘッドコーチの下、各自が「考えるバスケ」を実践して急成長を遂げたバスケットボール部女子

休日にはお互いの家を行き来することもあるという二人

(提供:早稲田ウィークリー

神﨑 由香(左)(かんざき・ゆか)/スポーツ科学部4年

福岡県出身。中村学園女子高等学校卒業。暇があれば何度も通うほどディズニーランドが大好き。

桂 葵(右)(かつら・あおい)/社会科学部4年

東京都出身。桜花学園高等学校卒業。ショッピングが趣味で新宿や渋谷によく出掛ける。