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「世界中の森を走るロマン」オリエンテーリング日本一

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尾崎 弘和/国際教養学部 6年

「頭を使えば自分より足の速い人にも勝てる」

 コンパスと競技用の地図を使って森や街の中を駆け巡り、チェックポイントをたどりながらゴールまでのタイムを競う、競技スポーツとしてのオリエンテーリング。2015年に行われた「第41回 全日本オリエンテーリング大会 日本オリエンテーリング選手権 ロングディスタンスおよびスプリント男子選手権(M21E)」で優勝し、日本代表として8月の世界選手権で好成績を目指す尾崎弘和さんに、オリエンテーリングの魅力や今後の目標について聞きました。

――まず、オリエンテーリング競技の種類について簡単に説明をお願いします。

 オリエンテーリングには3種類の個人競技があります。観客のいる街の中を、地図を見ながら1km3分前後の猛スピードで走る「スプリント」、スピードを求められつつも、森の中を正確に走る技術が必要な「ミドルディスタンス」、広大な森の中で1~2時間以上かかる長距離を走り続ける「ロングディスタンス」に分かれています。あとは団体として参加する「リレー」もあります。海外では一つの種目に絞っている選手もいますが、大学生のほとんどは全ての種目に参加します。

オリエンテーリング用のコンパスを親指にはめ、地図を持ちながら走る

地図の縮尺は競技の種類や大会により異なる

各チェックポイントに専用の電子機器をタッチして通過していく

――大会前はどのような練習をするのでしょうか?

 平日は、ほぼ毎日のように学生会館のトレーニングセンターで練習をしています。湿地や森、きつい斜面を走るには筋力も必要になるため、ウエートトレーニングも欠かせません。また、地図(※1)を見ながら事前にどのようなルートを走るか対策を立てたり、走りながら地図を読むクオリティーを高める練習をしたりします。週末は実際に大会が行われる森の周辺にある、似たような森で実践的な練習を積みます(※2)。

(※1)実際の地図は大会当日スタートした瞬間に渡されるため、ここでいう地図は以前の大会で作成されたものを指す
(※2) 大会が行われる森は開催決定後に入場規制がかかるため、事前に練習を行うことができない

――オリエンテーリングを始めたのはいつからですか?

 中学生からです。都内の中学校でオリエンテーリング部があるのは珍しいと思いますが、たまたま母校にあったんです。走ることが好きで、練習にサッカーを取り入れているところにも引かれて入部しました。もちろんそれまではオリエンテーリングのことは全く知りませんでしたが、面白いことに、入部後に母親が昔オリエンテーリングをやっていたことを知りました。しかも早稲田大学で。不思議な縁を感じます(笑)。

スウェーデン留学時はヨーロッパ各国に遠征

――早稲田大学に入学を決めた理由を教えてください。

 サークル(公認サークル「オリエンテーリングクラブ」)があったことが一番の決め手ですね。国際教養学部に決めたのは、留学制度があるからです。オリエンテーリングの強いクラブがあるスウェーデンに、学部のプログラムで1年間留学することができました。

――スウェーデンでの1年間はいかがでしたか?

 英語を勉強しつつも、比較的時間に余裕があったので、現地の地域クラブに入ってオリエンテーリング中心の生活を送っていました。冬場は結構大変でしたね。日が昇るのが9~10時頃で、暮れるのが15時半。クラブの練習は18時からで、マイナス10度の真っ暗な森の中を、ヘッドランプを付けてトレーニングしていました。

――オリエンテーリングの魅力は?

 単に走る速さを競うのではなく、頭を使って速くなれる要素があるところが魅力ですね。自分より足の速い人にも勝てるのが醍醐味(だいごみ)です。たくさん考えれば考えるほど強くなれる、面白い競技だと思います。また、世界中の森の中を走れるのがロマンだなと(笑)。普通に観光で森に行ったときも、常にオリエンテーリングのことが頭にあるので、「ここの森は走りやすそうだな」とか「この森の地図はあるかな」とか考えたりします。

――逆に、大変なところはありますか?

 足場の悪い森の中を走るタフな競技なので、けがが多いところですかね。実は今も足の捻挫が完治しておらず、医者から走る練習を止められています。あとは、北欧やスイスを中心に行われているスポーツなので、国際大会ではホームで戦えることがほとんどないのが大変といえば大変です。森の質が国や場所によってかなり異なるため、地元の人の方が圧倒的に有利なので…。そういった理由もあって、事前に練習を積むのが大事になります。

ベネチア・ブラーノ島の街中を走る(2014年イタリアで開催された世界選手権

――今後の出場レースを教えてください。

 まずは8月初旬にアジア選手権(開催地:台湾)、8月末に行われる世界選手権(開催地:スウェーデン)に出場予定です。アジア選手権では優勝を狙いたいと思っています。また、11月に全日本選手権(ミドルディスタンス部門・スプリント部門)が開催されるので、ミドルディスタンス部門では初優勝を、スプリント部門では2連覇を達成したいです。

――将来の夢や目標は?

 9月に大学院へ進学した後、再び北欧に留学したいと思っています。2019年にノルウェーで世界選手権が予定されており、私が以前留学していたところからも近く、なじみのある場所なので、そこを大きな目標にして頑張りたいです。

(提供:早稲田ウィークリー

尾崎 弘和(おさき・ひろかず)/国際教養学部 6年

千葉県出身。麻布高等学校卒業。現在、他学部聴講で経営学の科目を履修中。9月に大学院商学研究科へ進学予定。高校1年のインターハイで惨敗したことがきっかけでオリエンテーリングにのめり込み、本格的にトレーニングを積んだ結果、高校2年で初優勝を飾る。