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高山を駆ける喜び! スカイランニング世界選手権ユース日本代表

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藤 飛翔/基幹理工学部 3年

「より速く、楽しく山を登りたい。そして、2年後には再び世界選手権へ」

 標高2,000メートルを超える山岳を駆けるスポーツであるスカイランニング。2016年7月にイタリアのアブルッツォ州グラン・サッソで行われた「スカイランニング ユース世界選手権(グランサッソ・スカイレース)」にて日本代表として出場し、好成績を収めた藤飛翔さんにスカイランニングの魅力や基幹理工学部での研究との両立、今後の目標について聞きました。

――まず、スカイランニングについて説明をお願いします。

 スカイランニングは空に近い高山を空に向かって走る競技で、日本語で表現するなら「快速登山」です。ゴールに向かって一斉にスタートし、速さを競います。場所によっては危険な急斜面やがれ場、岩壁などを横切って進むこともあります。レースでは距離が異なるさまざまなカテゴリーがあり、短距離だと5km、中距離だと20km、長距離だと50kmです。

――スカイランニングを始めたきっかけと魅力を教えてください。

世界選手権のコースで最難関のエリアを進む(写真提供:藤巻翔)

 走るのが好きで、小学校からずっと陸上と駅伝をやってきました。ランナーの友人に誘われて、昨年スカイランニングのユース合宿に参加したことがきっかけです。もともと山野を走る「トレイルランニング」に興味があったのですが、スカイランニングはそれよりも登山要素が強く、標高2,000mを超える急勾配もある山を駆けるのに関心を持ち、競技を始めました。平地を走るのに比べて山を走るのは天候にも左右され、自然の影響を大きく受けます。山を駆け登っていると、自然豊かな景色に自分が溶け込んでいるような気分になります。これがスカイランニングの最大の魅力だと思っています。さらに登り切ったときの爽快感は格別です。陸上競技をやっていたときとの一番の違いは、いい意味でマイペース、そして「かっこいい」こと。プレッシャーや緊張感といったストレスを感じることなく、山を駆ける喜びを素直に感じられるんです。週末には、甲信地方のアルプスや神奈川県丹沢などに出掛け、トレーニングとは意識せずに山でさまざまな年代の仲間たちと遊んでいます。

――出場した世界選手権について教えてください。

 日本国内の予選が2016年5月に長野県上田市で行われました。その選考を通過し、ユース日本代表として世界選手権に出場したのですが、水平距離5km、垂直距離1kmの山の頂上まで一気に登りきるレース(VERTICAL KILOMETER®+1,000m/3.5km)と、走行距離20kmで累積標高2,000mを登って戻ってくるレース(SKYRACE®±2,226m/21.6km)の2種目に出場して、それぞれ10位、8位と言う結果でした。今回のユース世界選手権はこの競技の本場である欧州の選手たちがとても強く、イタリアのシニアの選手にも格の違うスピードを見せつけられ、世界との壁を痛感しました。

――世界選手権を振り返って感想を聞かせてください。

 海外のレースは今回が初めてだったので、いい経験になりました。特に感じたのは海外と日本の違いです。日本の山は割となだらかな山がほとんどなのに対して、海外の山はスケールが違い、起伏の激しいガツンとした山が多くあります。海外の選手はそんな山に慣れて いるので登りも下りもスピードが速く、ショックを受けました。あとは食事など、レースまでのアプローチ方法の違いについても実感しました。

世界選手権には日本チームは11人参加、国別では2位を記録

ずっと競っていたチェコの選手とゴール後に健闘を讃え合う

――学業とはどのように両立していますか?

週末はさまざまな年代の仲間と群馬や長野、山梨の山を駆け回る(前方中央が筆者)

 3年になり研究室にも配属されましたが、今はまだ具体的にどの研究に取り組むかを考えているところです。所属する齋藤潔教授の研究室は企業からの受託研究も多数進めており、幅広い分野を学ぶことができるので、じっくり考えたいと思っています。また、基幹理工学部は必修科目や課題も多く、普段は大変なときもあります。ただ、週末に山へ遊びに行く時間をきちんと確保するために、何とか効率よく課題などをやっておくようにしています。高校のときは、陸上の練習と勉強のどちらも100%の力を出せるように、気持ちの切り替えを心掛けてやってきました。大学でも同じように、研究もスカイランニングもどちらも両立できるように、めりはりをつけています。

――将来の展望を聞かせてください。

 まずは2年後の世界選手権に、今度はユースではなく、その上位カテゴリーであるA代表(シニア)として出場できるようにしたいですね。そのためには登りのスピード面の強化が重要なので、心肺機能を高め、足の筋力をつけるトレーニングや急勾配の山を速く登る実践的なトレーニングを積んでいきます。将来的には、世界でも指折りのトップランカーの一人になりたいと思っています。。

(提供:早稲田ウィークリー

藤 飛翔(ふじ・つばさ)/基幹理工学部 3年

【プロフィール】
 福島県出身。福島県立磐城高等学校卒業。週末スカイランニングのための遠出は旅行のような感覚で、仲間との山行に加え温泉とおいしいものに癒されている。費用捻出のため、皇居近くのランニング・ショップでアルバイト。小さな頃から実家近くの裏山を駆け回るのが好きだったので、スカイランニングはめぐり合うべくしてめぐり合ったのかも。生涯スポーツとしてずっとこの競技の虜でいたいと語る