早稲田大学の教育・研究・文化を発信 WASEDA ONLINE

RSS

YOMIURI ONLINE

ホーム > 教育 > スタディ・アブロード―世界から早稲田へ―

教育

▼スタディ・アブロード―世界から早稲田へ―

From German to Waseda
ドイツから早稲田へ

初鹿野 マヤ/別科日本語専修課程(2009年3月修了)

複雑なアイデンティティ

 フィリップ(マールブルク)大学からの留学生、初鹿野マヤさんは、日本人を父に持ち、ウェールズ人を母に持つマルチアイデンティティの持ち主。両親はともにバイオリン奏者としてドイツに移り住んだため、中部ドイツで生まれ育った。日本、イギリス、ドイツと縁のある複雑な背景を持つ初鹿野さん。「でも私は生粋のドイツ人ですよ。ある意味で『日本人』でもありますが、日本の文化や価値観、敬語の言い回しなど、はじめは違和感ばかり感じました」と留学前を振り返る。

墨田区の国際化推進活動に尽力!

 留学して2週間後には、友成真一先生の地域経営ゼミに参加した。墨田区の地域開発を進めるこの「すみだを元気にする」ゼミでは、国際化推進を草の根活動で行う「国際班」に所属した。留学当初は東京の暮らしになかなか馴染めず不安ばかりだったという初鹿野さんだが、この活動をきっかけに、他メンバーや地域の人々と協力し合い、精力的に地域活動を展開した。「国際班は『すみだを元気にする』を合言葉に、留学生4~7人で自主的にイベントの企画・運営などの活動を展開しました。例えば中小企業センターと連携した企画『会社へGO』では、地元の小学生と中小企業を訪問したり、エコバッグを作るなどの活動を行いました」。また時には墨田区職員に区の国際化についてインタビューを実施したり、山崎昇墨田区長との討論会にも参加した。

 「特に留学生が中心となって企画・運営まで手がけた、押上小学校でのイベントは一番の思い出です!」。このイベントではマールブルクの街並みや歴史の紹介をし、100人以上の小学3年生とドイツ語の数字の数え方、ゲームなどをして交流した。「とにかく大盛況でした!まさかこんなに自分の国に関心を持ってくれるなんて思っていませんでした!」と成果を実感して、顔をほころばせる。

「交流」から「共生」の社会を目指す

 「留学当初は私自身がとても緊張していましたが、自然体で人々と触れ合う事で、日本文化の多くが理解できるようになりました。異なる背景を持つ人同士の単なる『交流』から、人々の『共生』する社会への脱皮が重要なんですね!」と留学中の活動を振り返る。現在は「日本とドイツの外交政策の比較」を研究テーマに卒論を執筆中。「将来はドイツと日本の政治の行く末を見据えつつ、国際的に影響力のある機関で働きたい!」と今後の目標も明確だ。初鹿野さんは本学への留学と墨田区での活動の経験を、今後もあらゆる場面で生かしてくれるはずだ。

(提供:早稲田ウィークリー