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▼スタディ・アブロード―早稲田から世界へ―

From Waseda to Korea
早稲田から韓国へ

岸 加那子/第一文学部5年

韓国と出合ったきっかけは「韓流ブーム」

授業風景(手前が岸さん)

 「日本ではいつも何かに流されてばかりだったんです」。韓国へ留学前の自分について快活に話す今の岸さんからは、内気な姿など想像できない。韓国との出会いは大学に入学してからだった。「冬のソナタ」に代表される韓流ブームを通じて、韓国の俳優や現代文化に漠然と興味を抱くようになっただけだった。しかし岸さんにとって、このささやかな韓国との出合いは、一過性のブームだけでは終わらなかった。

韓国現代文化と放送事業への関心

 大学1年生と2年生の夏休みに体験した2度の韓国への短期留学をきっかけに、韓国への関心はどんどん高まった。3年生の時に、ソウルの高麗大学へ1年間の交換留学を経験。以前から放送事業に興味のあった岸さんは、高麗大学では韓国の伝統音楽、言論学、番組制作などの関連科目を履修した。しかし「授業の板書は読み難いし、ネイティブの聞き取りも難しいし・・・」と、留学当初を振り返る。それでも必死で覚えた韓国語を使って放送サークルで活動をし、学内放送も担当した。日韓高校生交流ツアーでは通訳に抜擢されるまでになった。そんな努力家の岸さんに、留学期間の終了間際、大学の教授から韓国文化放送(MBC)に番組制作インターンの声がかかった。即答でOK。留学を2カ月延長して、番組の制作から放映までのすべての工程に携わり、実務でも存分に韓国語能力を発揮した。

留学で感じた韓国人の「こころ」

 来年3月の本学卒業後は、高麗大学校の大学院へと進学を決意、再び韓国に戻る予定だ。岸さんが韓国にひかれる一番の理由、それは韓国人の「人とこころ」にほれ込んでいるから。「日本よりも友人や知り合いがたくさんいます。ウリ(韓国語で私たち)のなかに一度入ってしまえば、おせっかいなほど濃密な人間関係が維持されます。それが本当に魅力。決断力の無かった自分に、自立心や積極性を与えてくれたのは、韓国の友人たちでした」と、笑顔で話す。「将来は通訳や韓国語教育に携わり、韓国と日本の架け橋になりたい」。その自らの積極的な行動で、語学だけでなく韓国人の「こころ」を学び取った。岸さんの屈託のない笑顔に、今後さらに成熟した関係が求められる日韓両国の交流の姿が見えた気がする。

(提供:早稲田ウィークリー