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▼スタディ・アブロード―早稲田から世界へ―

From Waseda to Italy
早稲田からイタリアへ

福山 佑子/文学研究科 博士後期課程2年

イタリアとの出合いは学部時代

 「小さい頃からヨーロッパに関心があったけれど 、まさか、ここまでイタリアにはまるとは…」と笑う福山さん。大学1年の時に現在の指導教授である文学学術院小林雅夫先生の授業を偶然受講し、先生が所長を務める早稲田大学地中海研究所主催のイタリア研修旅行に参加して、ローマ時代の遺跡に感銘を受けたことが、そもそもの始まりだったという。その後、トランポリン同好会でのサークル活動を中心とした学生生活を送っていたものの、3年次の選択演習の授業をきっかけに、ローマ史の面白さに開眼。その時も「博士課程まで進学するとは、想像もしていなかった」そうだ。その後、博士課程進学を前提に本学交換留学制度に応募、合格し、博士課程1年生の2007年9月から08年7月まで、イタリアのフィレンツェ大学文哲学部で留学生活を送った。

フィレンツェで碑文にはまる!

 古代ローマ史を研究している福山さんがフィレンツェを留学先に選んだ理由は、ローマ史の専任教員だけで5人もいる充実した大学の環境、図書館や研究所の利便性の高さ、勉強に専念できる落ち着いた街の雰囲気のほか、他都市へのアクセスに優れ、地方都市でのフィールド調査に便利だという地の利もあったからだ。実際、授業の課外活動や休暇を利用した小旅行では、多くの史跡を訪ね、情報収集をすることができたという 。大学の授業では、ローマ史、考古学、美術史、地誌学などを履修したが、「なかでも碑文学の授業が印象に残っている」そうだ。イタリアならではのこの授業では、石碑や落書きにこめられた、古代ローマ人の「生の声」をよみがえらせるために、博物館や遺跡で実際の碑文を解読したり、暗号のような碑文の解釈を議論しながら、イタリアの大学院生たちと切磋琢磨した。「イタリアでの授業は論理の明快さが重視され、生き生きとした歴史絵巻が眼前で繰り広げられているようで、歴史学研究の面白さを再認識した」という。そこで受けた刺激が帰国後も研究活動の源になっているそうだ。

友人に支えられた留学生活

 「留学先での勉強は本当にハード。勉強量も求められる知識量も半端ではなく、毎日必死だった」と振り返る。その一方で、「専門的な事柄を少人数で学ぶことで、自然と共通の関心を持つ友人ができ、話題にも事欠かない」と大学院留学ならではのメリットも教えてくれた。現地での短い留学生活を満喫できるよう、本学で2年間イタリア語を履修したほか、渡航前からフィレンツェ大学の先生と連絡を取るなどの準備をして留学に臨んだが、やはり、授業や宿題ではイタリア人の友人たちの支えが大きかったという。また、「研究面でも生活面でも、イタリア留学は人の縁で支えられていた」とも話し、支えてくれた人への感謝も忘れない。アパートの階上の部屋で突然、水道管が破裂するなどのハプニングもあったが、そこも持ち前のエネルギッシュさでなんとかカバー。勉強のかたわら、イタリア生活も満喫。週末には、クラスメートとサッカー観戦をしたり、オペラ観劇をするなどメリハリをつけてリフレッシュした。「イタリアの大学は口述試験が主なので、留学生にとって、授業も試験対策も本当に大変。でも、イタリアの学生たちと一緒に課題や試験勉強をする中で培われる絆は、一生大切にできるものになるはず。」とメッセージを送ってくれた。

(提供:早稲田ウィークリー