早稲田大学の教育・研究・文化を発信 WASEDA ONLINE

RSS

YOMIURI ONLINE

ホーム > 教育 > スタディ・アブロード―早稲田から世界へ―

教育

▼スタディ・アブロード―早稲田から世界へ―

お隣の国、韓国で50カ国以上からやって来た学生と共に学ぶ

鹿島 健(かしま・けん)/大学院政治学研究科 修士課程 4年

韓国と世界を学び、日本について考えた1年間

2015年9月から1年間、韓国・ソウルにある韓国外国語大学校(HUFS)で交換留学生として学びました。HUFSは韓国では最も多くの言語について教育・研究する大学で、日本でいう東京外国語大学と同じ立ち位置でしょうか。韓国随一の国際性を備え、50カ国以上の国から来た学生が集まっており、米国のオバマ大統領が韓国で演説を行う場所として指定したことでも知られています。

 さて、この文章を読む皆さんは韓国に対してどのような印象をお持ちでしょうか。韓国に留学する意義とは何でしょうか。私は大学院生として研究対象である韓国の社会を理解する必要があり、韓国語も必須ツールなので目的は明確でした。ただ私の周りには「何で韓国へ行くの? 留学はアメリカやヨーロッパへ行くイメージがある」という疑問を抱く人もいて、その疑問に対する答えがはっきり見付からないまま、私は日本からお隣、韓国の地に降り立ちました。

授業の内容も工夫されています。こちらは韓国のインスタントラーメンについて

 HUFSの語学堂(大学付属の韓国語教育機関)は語学レベル1から始まり最上級の6級まであります。授業スタイルはレベル3では演劇を、レベル4からは社会情勢に関してディスカッションするなど工夫されていて面白かったです。

 私はレベル1からスタートしたのですが、そのクラスには13カ国から来た16名の学生がいて、全く分からない言語を全員が手探りで学ぶということがとても新鮮でした。多国籍な場だと「英語で話すのが当然だろ?」というオーラがすごいこともありますが、クラスでは国籍に関わらずお互い韓国語で話すことが普通でした。皆が同じレベルで韓国語という言語を通してコミュニケーションを取ろうとする環境は、言語学習の最大の障害となる「恥じらい」を消し去りました。また当時は地震・テロなどのニュースがクラスメートの誰かしらに関わっており、明日は彼、彼女にどう声を掛けようか、と毎日考えていました。

 留学先の言語がほぼ分からないまま行ったのは有り得ないことかも知れませんが、言語が分からない社会に飛ぶ込む体験というのも、それはそれで貴重だったと思いますし、「話したい」とこんなにも思った日々は未だかつてなく、言語学習の面白さを実感できました。

 休日は地方旅行のチャンスです。韓国はゲストハウスと高速バスの先進国と言っても過言ではなく、ソウルからプサンまではバスで4時間、1人2,300円ほどで行くことができ、健康ランドの一種であるチムジルバンに滞在すれば、宿泊費は800円ほどで済む場合もあります。美術館や歴史博物館などは無料の場合が多く、ここまで旅行者に優しい国とは行くまで思ってもみませんでした。週末は地方旅行だけでなく、友人と食事をしたりしましたが、そうした行動も含めて、「韓国を知る」ということなのだと感じました。

学食は1食200円前後とお手頃かつ美味

 また、昔ある偉い人がこんなことを言っていました。「あなたは日本から外に出たことがないの? ならあなたは日本を知らないわね」と。つまり、自国と対比する国ができて初めて、本当の意味で「自国を知る」という位置にたどり着けるという意味で、それが留学の意義の一つといえるのではないでしょうか。

 日本と韓国は歴史的に相互影響を与え続けている国です。どこか懐かしい気持ちになる風景や文化がある一方で、自国の歴史を考えさせられる部分もあります。

韓国版衛兵交代式「王宮守門将交代儀式」を体験

週末は友人たちと有意義な時間を過ごしました

 私の友人は韓国をこう表現しました。「祖父世代は敵国と戦い、父親世代は政府と戦い、今の世代は隣の人と戦っている」と。そう語る彼の寂しそうな顔を今でも忘れません。その時、日本と韓国は距離が非常に近い国ですが、まだまだ知らないことがたくさんあると痛感しました。

 いずれにせよ、HUFSでは韓国と世界を学ぶことができます。そんな環境を実現している大学は、世界中探してもなかなかないのではないかと思います。お隣の国でそんな体験ができる。これを活用しない手はないです。Go to HUFS! Meet the world!

13カ国から集まったクラスメート(筆者は前列左)

~韓国に行って驚いたこと~

 韓国の方はとても好奇心旺盛で、人懐っこい人が多い印象です。地下鉄で見知らぬ人から突然スマートフォンの使い方を聞かれたことがあり、驚きました。またお店の接客も日本とは異なるため、初めて来た人は驚くかもしれません。韓国のお店では「すみませんが…」という言葉はあまり聞きません。これを文化の差として楽しめる人とそうではない人で分かれるかもしれません。

韓国産の野菜を使用したビビンバ

宅配チキンにも挑戦

韓国でも刺し身を食べました

韓国はこんなところ

 正式名称は大韓民国で、首都はソウル。朝鮮半島南部に位置し、日本との時差はありません。気候は日本の本州北部から中部と似ており、日本と同じく四季がはっきりとしていますが、一般的に日本より寒暖の差が激しく、真冬のソウルでは気温がマイナス10度以下になることも。東京からソウルまでは飛行機だと約2時間30分で行くことができます。日本と比べると物価は少しリーズナブルです。

 韓国にある早稲田大学の協定校は約20大学。ソウルはもちろん地方都市のテグやプサンでも、長期・短期の留学プログラムを提供しています。韓国留学と聞くと韓国語での授業を想像するかもしれませんが、英語で授業を受けるコースも豊富にあります。また、語学を中心に学べる交換留学もあり、多種多様なプログラムがあるのも魅力の一つです。

関連リンク

留学センター

(提供:早稲田ウィークリー