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公開講座で考える映画『イキガミ』
~生きるとはなんなんだろうか~

学生と記念撮影

 映画界を支える魅力的なゲストを迎え、映画への関わり方や取り組み方など、手法やエピソードなどについて語ってもらう早稲田大学のテーマスタディ(全学共通副専攻)映画・映像コース特別講座「映画『イキガミ』~生きるとはなんなんだろうか~」が小野記念講堂(早稲田キャンパス)で開かれ、9月27日から公開が始まった映画「イキガミ」の瀧本智行監督、原作者の漫画家・間瀬元朗さん、主演の松田翔太さんらスタッフ・キャストがゲスト講師として参加。映画のテーマである「命」をめぐって、会場を埋め尽くした学生との間で、生きることの意味についてディスカッションが行なわれました。

 映画「イキガミ」は漫画が原作。国民に死の恐怖・悲しみを植え付けて“生命の価値”に対する意識を高めることが、社会の生産性を向上させると信じられている架空の世界が舞台で、「国家繁栄維持法」により、1000人に1人の確率で選ばれた18歳から24歳までの若者の命が自動的に奪われていきます。松田さんが演じた国家公務員・藤本賢吾は、政府より発行される死亡予告証:通称「逝紙(イキガミ)」を、栄誉とされる“国繁”死亡者に配達することが仕事。イキガミを受け取った者に残された人生はわずか24時間で、映画では様々なドラマが展開されます。

特別講座「イキガミ」

 映画の試写後、同講座を主宰する国際情報通信研究科・安藤紘平教授とTBSアナウンサー・青木裕子さんが司会進行をつとめて、キャスト・スタッフによるトークショー・ディスカッションが行なわれ、安藤教授が「学生のみなさんは、ゲストの話を聞いてたくさんのインスパイアされてほしい」などと挨拶。瀧本監督は「現実にはありえない話だが、どこかリアルに感じた。さまざまな問題によって、今、国・社会から切り捨てられる人が増えている気がする。その人たちと、イキガミを受け取ってグラグラと心が揺れる登場人物がダブって見えた。そのリアル感を映像にしたかった」と語り、間瀬さんは「9・11同時多発テロで人が死ぬ瞬間、ビルが倒壊する瞬間をアパートのテレビで見ている現実がシュールだった。かえって現実感が失われたことが不思議に感じた。生きている感覚がどういうものなのかを形にできないかと思って、イキガミを描きました」と、原作の着想を得たエピソードを披露しました。

 学生たちは「理想的な生き方とはなんでしょうか」など死生観・人生観を問う質問や、裁判員制度などで自らが突然、人を裁く立場に選ばれた場合など、映画と通じる現実のケースを引き合いに出すなどして活発に質問し、哲学的な議論が交わされました。主人公の内面の不安定な部分を演じるにあたり、「普段、テレビのニュースなどで、コメンテーターの発言などに感じる違和感などストレスをためて現場に臨み、主人公の気持ちに合わせるようにした」という松田さんは学生と同年代の23歳。学生から講座の感想を求められ「僕も早稲田大学へ行きたかった」と話すと、安藤教授が「今からでもどうぞ」。笑顔で応じた松田さんは「今、自分の中で勉強ブームがおきている。白州次郎に関する本をたくさん買って読み、漢字、英語も勉強しています」と勉学への興味を示し、「日本の文化はすばらしいし、格好良いと思う。日本人はそのことをもっと主張し、発信するべきで、早稲田のみなさんにはそれができると思います」と、熱心に聞き入る学生たちに呼びかけました。

映画への思い入れを語るキャスト・スタッフ

安東教授(左)の質問に答える松田さん(中央)

質問する学生

※全学共通副専攻(テーマスタディ)=http://open-waseda.jp/minor/
所属学部の学習体系とは別に、もう一つのテーマを集中的に学ぶ履修プログラム。学部の垣根を越えて、すべての科目の中から自分の興味に沿った科目を系統的に学ぶことができる(※人間科学部通信教育課程は除く)。

関連URL

国際情報通信研究科
http://www.gits.waseda.ac.jp/GITS/index_jp.php?href=top_jp.html

映画「イキガミ」公式サイト
http://www.ikigami-movie.jp/index_pc.html