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世界へ貢献する大学であり続けるために──「WASEDA VISION 150」の策定にあたって──
鎌田薫総長メッセージ

 現在の日本は、少子高齢化の急速な進行や長引く政治・経済の停滞といった極めて厳しい状況に置かれています。それに加えて、東日本大震災と原発事故、その後に引き続いた国内外における集中豪雨は、甚大な被害をもたらしただけでなく、科学技術や社会システムのあり方、研究者の役割、さらには私たちの生き方そのものについて深刻な反省を迫ると同時に、環境・エネルギー問題など地球規模で解決されるべき問題が想像以上に深刻な段階に達していることなどを痛感させました。

 こうした困難な状況だからこそ、新しい社会のあり方を追究し、次代を担う優れた人材を育成することが、今まで以上に重要になるのであり、長年にわたり真理を探求し続けてきた大学が、次の時代を切り拓くためにいっそう先導的な役割を果たしていかなければなりません。

 私たち理事会は、大学に課せられたこの責務を強く自覚し、最高で最新の教育・研究の実現と、進取の精神と豊かな人間性にあふれた人材の育成とを通じて、わが国と国際社会にさらなる貢献を果たしていくという決意を新たにするとともに、ますます厳しくなるであろう経済情勢などにも適切に対応し得る安定した財政基盤・運営体制を構築しなければならないと考えています。

 そこで私たちは、本学が創立150周年を迎える2032年頃の早稲田大学では「世界に貢献する高い志を持った学生」が集い、「世界の平和と人類の幸福の実現に貢献する研究」が行われ、「グローバルリーダーとして歓びを持って汗を流す卒業生」が多様な分野で活躍し、大学と緊密な協力関係を築いているという姿(Vision)を想い描き、それを実現するには、いま何をなすべきで、何をなし得るかを明らかにするため、「WASEDA VISION 150」を策定することといたしました。

 もともと本学では、2007年の創立125周年を契機に「Waseda Next 125」を策定し、日本の大学であることを超えたグローバルユニバーシティの構築を目指してきました。「WASEDA VISION 150」においても、引き続き「Waseda Next 125」の実行計画を推進するとともに、新規の戦略を付け加えた13の核心戦略と、それらを実現するための基本方針などを提案しています。

 このVisionを具体化するにはさまざまな改革を進める必要があります。「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」という建学の理念が、今後とも本学の教育・研究活動の原点であり続けることは当然でありますが、例えば、少子高齢化が急速に進む中で、教育・研究の質を高めながら、早稲田の誇る多様性を維持しようとするならば、学生定員や入学者選抜方法を見直すことも必要になります。場合によっては、教育システムの抜本的な改編が必要になるかもしれませんし、学費収入に多くを依存する財務構造の改善も避けられないように思われます。

 こうした改革は、全学が一丸となって推進する必要があります。今般、現時点における理事会の基本的考え方をまとめましたが、今後はおおむね1年をかけて、大学本部や各学術院などがそれぞれのアクションプランを策定するとともに、理事会としても多様な意見を拝聴しながら、より具体的な内容を検討し、「WASEDA VISION 150」の全体をまとめあげ、その実行に邁進できる体制の整備をして参ります。