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早稲田大学中野国際コミュニティプラザに大口の支援決定
早稲田から始まる「国際青年交流センター」構想

 早稲田大学(新宿区戸塚町、総長:鎌田薫)は、政治経済学部卒(1971年)の校友であり、ファーストリテイリング会長の柳井正様と香港の実業家である曹其鏞(ソウ・キヨウ)様より、また曹様の友人である香港の実業家・荻野正明様より、2014年度にオープンする国際学生寮「早稲田大学中野国際コミュニティプラザ」(中野区中野4)に、柳井様は個人として3億円のご寄付を、また、曹様や荻野様を始めとする、香港の実業家グループの皆様方より基金等を通じたご支援をいただくことになり、1月16日、小野梓記念講堂にて記者会見を開催し発表いたしました。今回のご寄付を契機に、早稲田大学は、柳井様、曹様、荻野様らが抱いている、世界各国の学生が相互の認識と理解を深めて持続的な友好関係を生む「国際青年交流センター」構想が、「早稲田大学中野国際コミュニティプラザ」を通して全国の大学に広がっていくよう、留学生と日本人学生との共同生活や様々な寮内教育プログラムを展開していきます。

それぞれの理念が語られた記者会見の様子

国際青年交流センターを全国に展開すべく握手をかわす4名

 曹様は自らが東京大学留学中、都内の学生寮「アジア文化会館」で日本人と生活した経験を踏まえ、中日両国が過去の歴史に捕われず、民間交流を継続的に促進することにより、両国相互の認識と理解を深め、相互信頼の下で持続的な友好関係が生まれると考えました。その長期的な観点から、中国と日本の学生が居住する国際学生寮「中日青年交流センター」を設置することにより、両国の未来ある若者の交流を通じた持続的な友好関係を実現すべく、既に中国側の5大学に「中日青年交流センター」の設置を進めています。また、日本の大学にも同様のセンターを設置することでその輪を拡げたいと考えています。また、友人である荻野様もこうした活動に賛同する香港の実業家グループの一員として、曹様とともにご支援いただくことになりました。

 一方、柳井様は日本の企業にグロ―バルな視点が求められる中、母校・早稲田大学の国際コミュニティプラザにおける国際学生寮を通じて異文化理解と国際交流を推進しようとするプログラムと、早稲田大学が起点となり、日本における国際青年交流センター構想が始まってほしいとの考えと、20年来の交流がある曹様の活動にも共鳴し、今回個人としての支援を決めていただきました。

 早稲田大学は、中長期計画「Waseda Vision 150」において、人間力・洞察力を備えたグローバルリーダーの育成を掲げ、新たな人材育成モデルを社会に発信するとともに社会貢献を果たしていくことを目指しています。「早稲田大学中野国際コミュニティプラザ」はこうした教育を強く推進していく施設であり、民間と大学が協働して国際交流を進め、民間が国際学生寮および国際寮内教育プログラムの推進を積極的に支援することの意義は大きいと考えています。

柳井正様の話

柳井正様

 20数年前に初めて香港でビジネスをしたのが曹さんの会社で、ビジネスには国境も業界の際もないことを学ばせてもらいました。東日本大震災に際しても、香港はじめ中国の取引先から日本国民に対して多額の義援金をいただき、なんらかのお返しがしたかった。また、早稲田大学はわが母校であり、こちらにもお返しがしたかった。曹さんと全く同じ意見で、昨今の日中の険悪な関係が継続することは非常に危険だと悶々と感じていたところ、鎌田総長から「早稲田大学中野国際コミュニティプラザの建設計画が具体的に進んでいる」ということをお聞きしました。この構想がすぐに実現できるとは思っていなかったので、すごいご縁とタイミングだと思いました。日中友好にも繋がるすばらしい国際青年交流センターをつくっていただきたいと思います。世界中からきた人々が寝起きを共にして、一緒に生活するということは、若い時には何にも増してすばらしい経験を積むことになると思うし、考えるだけでもワクワクします。大きくいえば日本と、香港含め中国への恩返しになると思います。服を作って売るというビジネスには社会平和と繁栄が不可欠であります。日本と中国はもちろん、世界の平和と繁栄を心より祈念しております。

曹其鏞様の話

曹其鏞氏

 3年前に私は中日友好のために、微力ながらなし得ることを行おうと決心しました。この数年来、私は少なからず、時間を割いて、積極的に友人たちに語り、私の理念を説明し、賛同を得ることができました。日本においても、この行動が幸いにも、多くの方々に認められ、支持を得ることができました。昨年4月に、鎌田総長にお会いした際に、日本における国際青年交流センター構想を早稲田大学中野国際コミュニティプラザで実現したら、という提案を受けました。日本における、中国の5大学のセンターに呼応した国際交流センター構想の実現について、立案から1年も経たないうちに、東京で正式に皆さんに対して、この計画を発表することができることは、楽観的な私でさえ予想するところではありませんでした。中国における中日青年交流センターの設立及び推進に、最初から関与してきた香港の良き友人たちとともに、日本において最初に国際青年交流センター構想を実現する早稲田大学中野国際コミュニティプラザの設立を心より歓迎、お喜び申し上げます。我々はこのプロジェクトを積極的に支持し、中日友好関係の発展のために、応分の貢献をいたしたいと思います。

荻野正明様の話

荻野正明様

 2年以上前にこの日中青年交流センターの構想を曹氏から聞いた時に、今まさにやらなければいけないことはこれなんだと直感しました。以来、微力ながらお手伝いをしてきたわけです。日本には「寄付の文化」が育っていません。欧米は言うに及ばず、香港でも幼稚園から始まって小学校、中学校、高校が個人の寄付によって作られ、また、香港のどの大学に行っても寄付によって建てられた建物が数多くあります。しかし日本の場合一部の私学系を除き、国公立を中心に、本当にそういう寄付によって建てられた建物が非常に少ないことに驚かされます。これからもいろいろと紆余曲折があるかもしれませんが、大切なことは、日中の若者たちが交流することの意義を、常に自分の心に抱き続けることであると考えております。寄付する側と受ける側の間で、時には糊のような、またある時にはクッションのような役割が果たせれば良いという気持ちを持ちつつ、若者の持つ無限の可能性にかけてみたい、というのが今の心境です。

鎌田薫総長の話

 奇しくも、早稲田大学の構想と、曹様の構想、柳井様のお考えが「早稲田大学中野国際コミュニティプラザ」で共鳴し、他に類例を見ない、国際連携による大規模な国際学生寮建設支援のスキームが実現いたしましたが、これは全くの偶然ではなく、むしろ歴史の必然と言って良いのではないかと考えています。今回、柳井様、曹様、荻野様から、早稲田大学に対して、破格のご支援をいただく旨の意思を表明していただいたことは、わが国の大学の国際化を大きく前進させる貴重な機会になり、他の大学や篤志家の皆さまにも大きな刺激を与えるものと確信しています。

曹其鏞様について

 香港の企業「永新企業」の副会長で、1958~1962年に東京大学工学部に留学。当時、都内の学生寮であるアジア文化会館に入居し、寮生活を通じて日本やアジアの学生と生涯の友人関係を築けたという。50年後の現在、悪化している中日関係を憂い、若者が共同生活を送ることで双方の国民感情を改善しようと、北京大学、清華大学、復旦大学、上海交通大学、浙江大学など早稲田大学と協定を結んでいる中国の5大学に私財計1億元(約13億円)をご寄付し、それぞれ「中日青年交流センター」として中国と日本の学生が入居する学生寮の建設を進めており、北京大学では昨年10月より運営されている。

荻野正明様について

 ファッションブランドや小売り業など20社以上を展開する国際企業グループ、フェニックスグループの会長。1941年大阪生まれ、神戸外国語大学ロシア文学科卒業後、商社を経て貿易会社の香港支店長となる。支店閉鎖を機に独立し、1970年にフェニックスを設立、日本向けニット製品の最大手に成長。上海、ベトナム、中国国境地域に工場を設立し、1986年にはプラダと契約。自社ブランドとしてアンテプリマも立ち上げ、ミラノコレクションのブランドとしてグローバルに展開している。1996年からは総合スーパーを香港、台湾、上海などに展開しており、グループは現在フェニックス・グループ・ホールディングスに集約されて運営されている。

「早稲田大学中野国際コミュニティプラザ」における国際学生寮について

 2014年度に中野区中野4にオープンする早稲田大学中野国際コミュニティプラザの中核施設となる学生寮。872名が入居可能で日本と多様な国・地域の学生が共同生活を通じて異文化・多文化を学ぶ。建物は鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造・PRC造)中間層免震構造の11階建。3~7階が男子専用フロア、8~11階が女子専用フロア。2階には多目的教室、フィットネスルーム、音楽室、大浴室、学生ラウンジ、一部の男子寮室。1階は地域社会に開かれた生涯学習の場づくりを提供する教育施設。