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ノーベル物理学賞受賞記念一般講演会
「ヒッグス粒子発見」を開催、約300名が参加

 フランソワ・アングレール氏とピーター・ヒッグス氏が質量の起源とされる「ヒッグス粒子発見」に関連してノーベル物理学賞を受賞したことを記念した一般講演会「ヒッグス粒子発見」が28日、国際会議場 井深大記念ホールで行われ、小学生から年配の方まで幅広い年齢層の方が約300名参加しました。

 ヒッグス粒子は素粒子物理学の基礎「標準理論」の中で唯一見つかっていなかった素粒子で、宇宙を今ある姿にするには欠かせない存在でありながら、存在の提唱から約50年間、とらえることが出来ませんでした。しかし、2012年、世界の研究者が集結して欧州に作った最先端の研究装置LHC(大型ハドロン衝突型加速器)による実験を繰り返すことで、ついにとらえることに成功しました。

東大・小林教授

早大・寄田准教授

KEK・北野教授

 講演会ではヒッグス粒子の発見に大きな貢献を果たしたLHCアトラス実験グループのメンバーである小林富雄教授(アトラス日本共同代表者、東大)・寄田浩平准教授(早大)と、素粒子理論の研究者である北野龍一郎教授(高エネルギー加速器研究機構、KEK)らが、ヒッグス粒子をめぐるドラマと素粒子研究の今後の展開に迫りました。

 東京大学の小林教授は、物質を構成する最小単位の粒子である「素粒子」の標準モデル発展の歴史から、全周27㎞におよぶ巨大なLHCを管理するCERN(欧州原子核研究機構)の概要、LHCの建設には日本から技術面・財政面で多大な貢献をしていること、アトラス実験における日本の研究者の貢献について解説しました。

 早稲田大学の寄田准教授は物理学そのものの話だけでなく、今回の実験的な発見があったからこそノーベル物理学賞受賞に至ったことや、ヒッグス粒子に関してはアングレール氏の論文とヒッグス氏の論文だけでなく同じ年に同じような論文がもう一つ発表されており、なぜアングレール氏とヒッグス氏だけがノーベル賞を受賞することになったのかなど、裏話的な逸話も紹介しました。

 また、ヒッグス粒子が生み出す質量とはそもそも何なのかを人間の錯覚を利用したディズニーランドのアトラクションなど身近な例を用いてわかりやすく説明したほか、若手研究者らが長い期間、24時間体制でヒッグス粒子探索をしていた苦労話も披露。ヒッグス粒子の発見により研究は新たな局面を迎えており、発想の転換次第でノーベル賞受賞は可能だと力説するなど、研究の現場の熱気が伝わってくる講演で会場をわかせていました。寄田研究室はCERNに修士・博士課程の学生を派遣して実験参加しており、ヒッグス粒子のデータを解析する装置の開発やデータ分析などで貢献しています。

 講演会の最後はKEKの北野龍一郎教授が、ヒッグス粒子発見の先にある、相対性理論を超えた「超対称性理論」があるのではないかという仮説について紹介。宇宙のあらゆるところは超空間という隠された空間につながっていて、LHCではその超空間への壁を突き破って、超粒子が飛び出すところを捕まえようとしているなど、今後の物理学の夢のある展開について語りました。

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寄田研究室