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【Vision 150】早稲田大学の教育力・研究力
第1回 健康スポーツ科学

早稲田大学の教育力・研究力

 早稲田大学は総合大学としての特長を生かし、人文科学、社会科学、自然科学など諸学の真の融合を図り、世界に貢献する高度な研究成果の実現に向けた努力を惜しみません。「スーパーグローバル大学創成支援」トップ型に採用された「Waseda Ocean 構想」では、日本文化学、数物系科学、ナノ・エネルギー材料、ICT・ロボット工学、健康スポーツ科学、実証政治経済学など、すでに国際的に定評のある6つのモデル拠点へ先行的に集中投資を行うことなどにより、さらなる評価の向上を目指します。

 国内外の大学間競争がますます激しくなっていく中で、早稲田大学が目指すのは、世界の教育、世界の研究をリードする“Waseda”を作り上げることです。Best Education, Best Research, さらにBest Community を旨として、世界スタンダードにおいてあらゆる分野で“the Best”の実現に向けて、全学一丸で前進して行かなければなりません。「進取の精神」を持って、今こそ、早稲田の歴史が育んできた挑戦の志を大きく開花させ、具体的な形に結実させる時であろうと思います。

早稲田大学総長
鎌田薫

健康スポーツ科学(第1回)
高齢化が進んでも、健康で楽しく生活できる社会の構築を目指して
従来の学問領域の中で個別的に行われてきたスポーツの研究を統合

大人も子供も楽しく体を動かすことが大切

 現代社会には子どもの不活動、要介護高齢者など、多くの「心身」に関わる問題が生じており、その深刻さで日本は世界の最先進国であるといえるでしょう。これを解決する上で、「運動(スポーツ)」が大切であることは世界共通の認識となっていますが、「運動しよう」という掛け声だけでは問題は解決しません。楽しさや遊びの要素を加え、運動の「日常化・習慣化」を図ることが大切で、それには「スポーツ」についての科学的知識が不可欠であり、従来の学問領域の中で個別的に行われて来たスポーツの研究を「スポーツ科学」として統合する必要があります。

 早稲田大学は、人間科学部スポーツ科学科として日本で初めて「スポーツ」という名を掲げた学科を設けて以来、この分野の成長をけん引してきました。早稲田大学スポーツ科学学術院(スポーツ科学部・スポーツ科学研究科・スポーツ科学研究センター)は運動生理学・バイオメカニクスからスポーツマネジメントまでの幅広い分野の国際的な教育研究者を擁しています。同時に、多くのトップアスリートを輩出し、サッカー女子日本代表フィジカルコーチ、北京やロンドンのチームドクターなどの専門指導者を中心にアスリートのサポートにも力を入れています。このような基盤の上に2009年には文部科学省グローバルCOEプログラム「アクティヴ・ライフを創出するスポーツ科学」を展開しました。

20年にわたって様々な健康調査を行い、健康増進に貢献する

 スーパーグローバル大学創生支援(SGU)※1の教育・研究拠点である、健康スポーツ科学拠点では、これまで本学のスポーツ科学分野で国際的に優れた業績を上げているテーマに的を絞り、教育・研究のさらなる活性化を目指しています。そのために①子ども・青少年の健全育成とスポーツ活動、②スポーツ参加による中高年従来の学問領域の中で個別的に行われてきたスポーツの研究を統合の健康増進、③スポーツ環境構築のためのマネジメント方策、④スポーツ技能向上の基盤形成の4つの教育・研究プロジェクトを設置しました。これらのプロジェクトでは海外から招聘する教員も参加し、最先端の健康スポーツ科学についての教育・研究・実践を展開する予定です。それに向け、英語による学位取得制度、ジョイント・アポイントメント制による外国人教員の短期招聘、大学院生の海外研修などの新しい制度を整備します。さらに教育・研究活動の大きな柱として「高齢化が進んでも、健康で楽しく生活できる社会」の構築を目指す取り組みを進めています。その中心は”WASEDA’S HealthStudy”で、約60万人の会員を誇る早稲田大学校友会(同窓会組織)のメンバーを対象に様々な健康調査や検査を20年間にわたって継続して行います。これにより、中高年男女の健康・体力に影響を及ぼすライフスタイルと、遺伝子多型、スポーツ経験と現在の健康リスク、体力指標(心肺体力、筋力等)とを関連させることで大規模・縦断的な分析が可能となり、人々の健康増進に大きく貢献することができると期待されます。

健康スポーツ科学の国際的ハブを目指す

科学の力で生きた体を見る(川上泰雄教授提供)

 これまでに培ってきたスポーツ科学分野における海外の一流大学(ドイツ・ケルン体育大、イギリス・ラフバラ大、カナダ・カルガリー大、中国・清華大など)との国際連携を強化し、優秀な留学生の受け入れと早稲田大学の学生の海外派遣を促進します。さらに、特徴ある教育研究プロジェクトにおける英語による修士課程・博士課程プログラムを構築するとともに、一流の教育・研究者(特にロールモデルとしての女性)を世界各国から採用していく予定です。長期的には、あらゆる世代が直面する「心身」の問題に対して、スポーツによる解決に向けて、世界中から優秀な人材が集う健康スポーツ科学の教育研究の国際的なハブとして機能することを目指しています。

※1:平成26年度スーパーグローバル大学等事業スーパーグローバル大学創成支援トップ型(タイプA)に「Waseda Ocean 構想~開放性、流動性、多様性を持つ教育研究ネットワークの構築~」が採択されました。