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【Vision 150】早稲田大学の教育力・研究力
第6回 実証政治経済学

早稲田大学の教育力・研究力

 早稲田大学は総合大学としての特長を生かし、人文科学、社会科学、自然科学など諸学の真の融合を図り、世界に貢献する高度な研究成果の実現に向けた努力を惜しみません。「スーパーグローバル大学創成支援」トップ型※1に採用された「Waseda Ocean 構想」では、日本文化学、数物系科学、ナノ・エネルギー材料、ICT・ロボット工学、健康スポーツ科学、実証政治経済学など、すでに国際的に定評のある6つのモデル拠点へ先行的に集中投資を行うことなどにより、さらなる評価の向上を目指します。

 国内外の大学間競争がますます激しくなっていく中で、早稲田大学が目指すのは、世界の教育、世界の研究をリードする“Waseda”を作り上げることです。Best Education, Best Research, さらにBest Community を旨として、世界スタンダードにおいてあらゆる分野で“the Best”の実現に向けて、全学一丸で前進して行かなければなりません。「進取の精神」を持って、今こそ、早稲田の歴史が育んできた挑戦の志を大きく開花させ、具体的な形に結実させる時であろうと思います。

早稲田大学総長
鎌田薫

実証政治経済学 (第6回)
世界で最先端の実証政治経済学研究拠点を目指す
政治経済学の実証分析・企業の実証分析

 早稲田大学の政治経済学部とその大学院では、2000年代初頭から政治学と経済学の融合を国際的な視野で達成することを目指して、政治学者と経済学者が協働作業を続けてきました。その過程で、文部科学省事業21世紀COEプログラムとグローバルCOEプログラムによる政治経済学の拠点を形成し、文部科学省科研費基盤研究(S)と同じく4つの基盤研究(A)を獲得してきた実績を基に、国際的競争力のある若手研究者を育成してきました。その成果として、政治経済学実験を創出し、ノートPCを用いた全国世論調査(CASI調査)を世界で初めて開発し、世界でもハイクラスの世論調査・実験調査を現在も実施しています。今後は更に学生が国際的な一流の教授陣から学ぶ環境を整えていく予定です。

 また、これまで本学の商学研究科、ファイナンス研究科と、高等研究所を中心に、日本の企業統治、企業金融に関する独自のデータベースを構築してきました。その内容は第1に日本の主要企業の1世紀にわたる所有構造、財務構造のデータベースであり、第2に1980年代以降の、日本の上場企業のすべてを網羅するデータベースからなっており、これらを通じた実証成果を内外で公刊してきました。さらに、日本経済新聞社と協力してのコーポレートガバナンス評価システム(Cges)の開発にも関与しており、今後、これらの蓄積を基礎に、対象を欧・米・アジア地域まで拡充し、統一したフォーマットのデータベースを開発することによって分析を進めていきます。

グローバルな環境と視野での政治経済学・ビジネス教育の推進

竣工されたばかりの3号館に設置された政治経済学実験室

 早稲田大学の政治経済学術院と商学学術院および高等研究所では、英語だけで学科目を履修し、学士号・修士号ならびに博士号を取得できる制度を整え、世界中から来る学生が学ぶ拠点を形成してきました。また、高等研究所では、本学で最初に国際公募とテニュア・トラック制度を導入したダイナミックな教員人事政策を推進してきました。政治経済学の最先端の研究者の育成には、プリンストン大学、ジョンズ・ホプキンス大学、カリフォルニア大学、ティルバーグ大学(オランダ)、ロンドン大学(LSE)といった海外の大学と協力を推進しており、また、企業統治・企業行動の実証分析の研究者育成では、オックスフォード大学サイード・ビジネススクール、EHESS(フランス国立社会科学高等研究院)、ブリティシュ・コロンビア大学、ベルリン自由大学などの海外研究機関と連携してきました。同時に、本学においては高等研究所がハブとなり、商学学術院と政治経済学術院の関連研究者が集結して、日本の企業統治構造の特質とその機能を、アジア、欧州諸国との比較のもとで解明するプロジェクトを開始しています。今後、前述の各機関、さらにソウル国立大学、上海交通大学、南開大学、チュラロンコン大学などのアジア諸国から、企業の実証分析を進める研究者を招聘し、共同のデータ構築、共通の手法による分析を進めていく予定です。

教育、研究両面で最先端の拠点へ

 今後は、短期的には訪問教授制(Visiting Professorship )を活用し、長期的にはジョイント・アポイントメントを世界のトップクラスの大学と連携して実施し、世界で最先端の政治経済学の研究を行える人材、およびグローバル・ガバナンスを実現する人材、企業の経済学を担う人材を育てていきます。

 また、研究面では、地球市民のニーズに合った制度構築・政策形成を実現するために世界最先端のCASI型世論調査などを開発し、その基礎となる政治経済学実験を更に進化させていき、この分野における世界的拠点を目指すとともに、企業の実証分析では今後、企業統治、企業金融のみならず、企業組織・戦略選択、さらに会計行動へも分析対象を拡充し、当該分野の世界的な拠点となることを目指していきます。

※1:平成26年度スーパーグローバル大学等事業スーパーグローバル大学創成支援トップ型(タイプA)に「Waseda Ocean 構想~開放性、流動性、多様性を持つ教育研究ネットワークの構築~」が採択されました。