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早稲田大学の入試改革の方向性と展開について

鎌田総長より入試改革の理念と方向性を伝えました。

 12月2日、早稲田大学は記者説明会を実施し、鎌田薫総長より、本学の入試改革の理念とその方向性を伝えました。また、長島啓記入学センター長、沖清豪入試開発オフィス長より、2016年度から18年度までに打ち出してゆく予定の入試改革メニューについて説明しました。

 以下、早稲田大学の考える入試改革の方向性と展開を紹介します。

改革理念

 本学では、Waseda Vision150という20年後の早稲田大学を見据えた独自の大学改革を推進し、その中でグローバル社会のリーダーとなって活躍できる人材、言い換えれば、叡智・志・実行力を兼ね備え、様々な地域や社会のリーダーとして貢献する人材を育成しています。そのための人間力・洞察力をも磨く主体的な学びを私たちは“真の学び”と考え、少人数授業の拡大など学部教育の充実、3,500科目を超える全学共通科目の設置等々の教育改革を積極的に展開しています。こうした教育改革を今後一層加速させるためには、高い志を持った多様で優秀な学生を国内外から獲得していく必要があります。本学では入試改革を核心戦略のトップに据えて、各学部がアドミッションポリシーに則って、真に求める人材に入学してもらうべく、検討と実践を継続的に推進していきます。

 ただし、本学が入試改革を実行するにあたって心がけているのは、入試改革は「単なる選抜制度の改革ではない」ということです。どんなに優秀な学生が入学したとしても、その後の教育や学生生活と連動しなければ、入試制度だけ変えてもその効果は期待できません。入試改革は入学後の中身と一体でなければなりません。そのため、受験だけの小手先の改革にならないように、入学後の教育面とトータルで構想しています。たとえば本学では、クォーター制の推進やアクティブラーニングといった学生主体型の授業を展開していますし、海外リクルートや外国学生入試改革が効果を発揮しているのは、英語で行う授業だけで学位を取得できる「英語学位プログラム」を約半数の6学部で実施(今後もさらに増えていく予定)しています。

また、グローバル化が進み、社会が大きく変化するなか、教育に求められているのは問題の所在を探ることができ、本質を見抜いて解決する能力を涵養することです。解決に導く答えは1つではありません。存在している一つの答えを見つければいいという従来型の教育を改め、新しい時代にふさわしい教育を推進していくためには、大学入試改革を実現することによって中等教育や初等教育の改革も同時に促進していきたいと考えています。本学では「入試制度は受験生へのメッセージである」という考えに基づき、制度改革を進めていきます。

現状と方向性

 現在、本学においては、一般入試・センター利用入試といった学力重視型入試(学力試験のみで判定を行うタイプの入試)とAO入試・推薦入試などの筆記試験だけに頼らないタイプの入試の入学者比率はおよそ6:4となっております。このことによって、タイプの異なる多様な人材が国内外各地から集まってきていますが、今後は各学部が求める人材について、よりきめ細やかに評価するための入試制度が必要になると考えています。そのためには現行の一般入試・センター利用入試の比率の見直しを行うとともに、新たな選抜方法を全学的に導入するなどの取り組みを推進し、多様な入試制度をさらに広げていく予定です。

 本学では2013年度に入試に関わる開発・既存入試の検証・広報戦略策定等を担う「入試開発オフィス」を、全学的な新入試を実施する母体としての「入学者選抜オフィス」を設置するとともに、全13学部から学内有識者を集め、大学全体を横断的に繋げて次代の入試改革を検討する「入試開発検討会」を新設し、入試改革を検討・実践するにあたっての体制を整備しました。今後は、本学が最も重視して培ってきた“多様な文化”“多様な広がり”をさらに推し進めるべく、継続的な検討と実行を進めていきます。

入試制度改革の実践スタートメニュー

 本学では前述の理念と方向性に基づいて入試改革を推進していきます。本学には多くの種類の入試制度がありますが、ここでは国内入試改革のスタートメニューをご紹介します。

2016年度入試から(2016年4月入学者向け)

1.文化構想学部・文学部でセンター利用入試(センターのみ方式)新規導入

 文化構想学部・文学部は、これまでもセンター利用入試(センター+一般方式)を実施し、外国語・国語以外の選択科目において、世界史・日本史以外の得意科目でも受験できる方式を実施してきましたが、2016年度入試からは、幅広いオールラウンド型の学力を有する学生を募集するため、新たに5教科6科目型のセンターのみ方式を導入します。このことによって、本学では13学部中、教育学部と理工3学部を除く9学部で地元だけでの受験が可能な(早稲田試験場まで来る必要がない)大学入試センター試験で完結する入試方式を実施することになりました。

2.商学部のセンター利用入試の科目数削減による選択科目の幅を増やす

 商学部のセンター利用入試(センターのみ方式)で、入試科目数を5教科6科目から5教科5科目に変更し、選択科目の幅を広げます。このことによって、受験生は1教科1科目にしっかりと集中して得意科目を生かすことができるようになりました。

2017年度入試から(2017年度4月入学者向け)

1.文化構想学部・文学部で「一般入試(英語4技能テスト利用型)」新規導入

 文化構想学部・文学部は、英語における4技能についてバランスのとれた力を有する学生を獲得するという目的から、高校での学習内容に則った形で、一般入試の新方式として本制度を導入します。選考方法としては、英語4技能テスト(TEAP、IELTS、英検、TOEFL(iBT))のいずれかにおいて基準を上回っている受験生について、一般入試の国語・地歴の2教科の合計得点により判定します。募集人員は文化構想学部70名・文学部50名です。英語4技能テストの基準については2016年4月以降に公表します。

2.人間科学部で「公募制学校推薦入試(FACT選抜)」新規導入

 現行の指定校推薦入試とは別に、人間科学部の入学者に期待する「学びの力」を総合的に評価するための「公募制学校推薦入試FACT選抜(Fundamental Academic Competency Test)」を2017年度入試から導入します。高校の全教科の評定平均値とともに、科学への関心と思考力・論理性・論述力・表現力を重視する観点から、理科・国語の2教科の評定平均値を特に重視し、志望動機等の提出書類、語学能力試験(外部試験)、論述課題、面接といった様々な角度からの評価を実施して選抜します。初年度の募集人員は若干名。制度の詳細は年内に発表を行う予定です。

3.文化構想学部で英語学位プログラムを新規導入

 予定では2017年度より、日本文化を世界的な視野のもとに学び、かつその成果を広く世界に向けて発信できる人材の育成を目指し、英語学位プログラムGlobal Studies in Japanese Cultures Program (国際日本文化論プログラム)を新設予定です。

 本プログラム(略称GSJCP)は文化構想学部多元文化論系の1プログラムとして置かれ、定員は若干名(日本の学生15名、外国学生15名を予定)でスタート。このプログラムの導入によって、本学では7学部で英語の授業だけで学位取得可能となり、キャンパスのグローバル化が益々進展すると考えられます。

2018年度以降入試から

1.複数学部で「地域貢献型人材発掘入試(仮称)」を新規導入予定

 本学が重視しているグローバルリーダー(何処においても、またどのような分野で活躍するにせよ、地球市民一人ひとりの幸せの実現をリードする能力と意志を持ち、地球規模の視点で思考・実行する人材)の育成を加速させるために、地元地域への貢献に高い意識を持つ人材を対象とした入学試験「地域貢献型人材発掘入試(仮称)」を2018年度入学者から実施予定です。対象地域は全国で、地域性を重視し、全ての都道府県からの受け入れを目標とします。

 本入試は、初年度は若干名でスタートし、地元地域への貢献度・現実性・学部での学習との一貫性・将来性などを選考の中で測るとともに、学力面については、大学入試センター試験での一定水準以上の得点を求めることを想定しています。これまで本学が培ってきた各種入試(AO型入試、自己推薦入試等)のノウハウに基づく学力型AO入試とし、学部の垣根を越えた全学的入学試験にする予定です。また、当入試による入学者で、収入・所得金額等が「めざせ!都の西北奨学金」の支給基準に当てはまる者には、当該奨学金の採用を確約します。

 さらに、入学後の教育・キャリアとの連動を図るため、本入試での入学者には、自身の所属学部の学修のみに限定されることなく、本学の社会連携推進室のプログラム参加、学生稲門会での活動、地域交流フォーラムへの協力、各地の校友の協力を得た形での出身地域でのインターンシップ等への参加を推奨し、これを大学は全面的にバックアップしていきます。本学には全国各地のリーダーとして活躍している60万人の校友がおり、現状でも「めざせ!都の西北奨学金」をはじめとした多くの奨学金の原資や校友会支援講座を提供いただいております。今後は“地元に貢献するグローバルリーダー”育成のために、更なる力強い支援の輪が広がることが期待できます。

 現在、詳細な入試のスキームや参加学部・学科の確定を行っており、来春4月以降を目途に参加学部と入試内容の詳細を発表します。

参考: 早稲田大学における入試の現状