薬と薬草のお話vol.101 丹参とタンジン
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vol.101 丹参とタンジン
薬用基原植物
Salvia miltiorrhiza Bunge(Labiatae)
春は職場や学校で人々が新旧交わる季節です。これまでは日本でよく使われる漢方薬中の生薬を取り上げてきましたが、今回は近年新しく日本薬局方に収載された丹参のお話です。
生薬・丹参の基原植物丹参は、中国原産のシソ科アキギリ属です。学名にもあるようにサルビアの仲間で、日本には自生しませんが草丈30~80㎝で、春から初夏に青紫色の唇形の花をつけます。薬用部位としては、根を掘り上げて乾燥したものを使用します。主な成分は赤い色素、タンシノンⅠ(紫褐色)と、Ⅱ(赤色)などで、生薬名も根が赤いことに由来するようです。
丹参そのものの効能としては、漢方の言葉でいう瘀血(おけつ)(血の流れが滞るという意味)を取り除くことです。血流障害からおこる痛みやしびれをやわらげる効果を期待して配剤されることがあります。現在、上市販売されているものの中では、例えば環元清血飲(かんげんせいけついん)は丹参、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)、紅花(こうか)、木香(もっこう)、香附子(こうぶし)の六つの生薬で構成され、中高年以降の高血圧傾向のある方の頭痛、頭重感、肩こり、めまい、動悸(どうき)などの症状を抑えることを期待して使われます。
私の職場の薬品棚も、処方薬が新旧交じって並んでいます。その中でも、丹参はこれまで日本ではあまり用いられていなかったので、他の治療薬との併用などについては、これからの研究が期待されるところです。
先週まで、通勤途中の公園の植栽に、寒さを耐える茶褐色の枝先に目に鮮やかな黄色の連翹(れんぎょう)が、満開の桜と咲き誇っていました。どちらが先にどちらが後にと、新旧争うことなく咲く花たちを目にして春爛漫(らんまん)を感じています。
2026年4月17日
(笹川 悦子/笹川薬局社長/薬剤師)







