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今、なぜ企業にDXが必要なのか

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POINT
■今日のような不確実性の高い時代には、環境の変化に柔軟に対応する力である企業変革力が求められる。それを強化する手段のひとつが「デジタルトランスフォーメーション(DX)」だ。

■DXが「デジタイゼーション」や「デジタライゼーション」と異なるのは、自社の事業と組織の変革、さらに意識や制度改革を経営視点で遂行する取り組みが含まれるということだ。

■DXの推進にあたっては、データ活用が重要で、その前提としてデータを活用できる環境が整備されている必要がある。

NTTコミュニケーションズ エバンジェリスト 林雅之 

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済活動が制約され、多くの企業が計画した事業活動の実行が難しくなり、戦略の見直しを迫られている。不確実性の高い時代に求められるのは、環境の変化に柔軟に対応する企業変革力だ。その力を強化する手段のひとつとして「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が注目されている。

 DXとは、クラウドや人工知能などデジタル技術を活用して、新たなサービスやビジネスモデルを創造して顧客の価値体験の変革を図り、自社の事業と組織の変革、意識や制度改革を経営の視点で遂行することをいう。ビジネス環境の激しい変化に対応し、他社より早く競争優位性を確立する狙いがある。

DXとデジタイゼーションの違い

 デジタル技術の活用では、「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」という言葉を目にすることも多いだろう。

 デジタイゼーションとは、アナログなものをデジタル情報として扱えるようにすることだ。紙文書の電子化がその一例だ。

 デジタライゼーションは、デジタル技術の活用により個別の業務・製造プロセスをデジタル化して、コスト削減や業務の効率化を実現することだ。これまで人手で行っていた業務の一部をソフトウェア型のロボットに置き換えて自動化する「Robotic Process Automation」(以下RPA)がその一例だ。RPAは、社員の業務負担の軽減や長時間労働の削減を実現する。業務を効率化できれば、社員を付加価値の高い業務にシフトさせることも可能になる。

 DXは、自社の事業と組織の変革、および意識や制度改革を経営の視点で遂行する取り組みが含まれる点で、デジタイゼーションやデジタライゼーションとは異なる。

データの活用が推進のカギ

 経済産業省は、企業のDXを加速していくための課題及び対策のあり方について議論するために立ち上げた「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会」において、DXの基本的な考え方や推進方法を企業に示す「対話に向けた検討ポイント集」(以下本ポイント集)を、2020年12月に公開した。本ポイント集では、DXの推進にはデータ活用が重要であることが示されている。そして日々の業務やビジネスに存在する様々な課題に対し、入手可能なあらゆるデータを適切に分析し、解決策を編み出すのがデータ活用のあるべき姿であると言及されている。

 データ活用の前提となるのが環境整備だ。企業では、データの形式が部門ごとに異なることや必要なデータが蓄積されていないなどの理由で環境が整備されておらず、データ活用がなかなか進まないケースが多い。また、過剰なデータ保護なども散見され、環境が整備されていないことが原因でデータを活用し、新たなビジネスを創造し、収益化に結びつけることまで辿(たど)り着かない場合が多い。

 このような状況に対応するため、活用するデータの収集や蓄積・管理分析基盤を提供する事業者を外部に委託することも選択肢の一つとなる。外部委託はデータ活用に関する負担を軽減し、新たなビジネスモデルの創造や顧客の価値体験の変革などの取り組みに業務をシフトしていくことも可能にするだろう。

 ITベンダーやコンサルティング会社、通信事業者各社はDX推進の支援業務を一斉に展開・拡大しており、NTTコミュニケーションズもデータ利活用に必要な収集・蓄積・管理分析におけるすべての機能を、ICTインフラも含めてワンストップで提供する「Smart Data Platform」を展開し、企業のDXの推進を支援している。

乗り遅れた企業は致命的な痛手に

 新型コロナウイルス感染症の影響で経済活動が制約され、社会全体の不確実性が高まっている今、企業がDXに取り組み、顧客の新たな価値体験の変革を図ることが、持続的な競争優位性を高めることに(つな)がる。DXを推進する企業とそうでない企業との差は明確となり、乗り遅れた企業は致命的な痛手となるだろう。

 DXは、デジタイゼーションやデジタライゼーションによる付け焼き刃的な「デジタル対応」では実現しえないあらゆる業務変革を呼び起こし、社会経済全体の発展につながる起爆剤になることが期待できる。企業は、コロナ禍による急激な環境変化を契機として、経営改革としてのDXを推進・加速させ、この難局を乗り越えていくことが、求められている。

※エバンジェリスト IT業界で、最新のサービスや技術動向などを広く社内外に発信していくエキスパートのこと。

プロフィル
林 雅之( はやし・まさゆき
 1995年入社、現在はプラットフォームサービス本部データプラットフォームサービス部に所属。12人の「エバンジェリスト」の一人。国際大学GLOCOM客員研究員。主な著書に『イラスト図解式この一冊で全部わかるクラウドの基本』(SBクリエイティブ)、『スマートマシン 機械が考える時代』(洋泉社)ほか多数。

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1797416 0 経済・雇用 2021/01/27 08:00:00 2021/02/12 14:15:09 2021/02/12 14:15:09 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210121-OYT8I50054-T.jpg?type=thumbnail

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