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森信親・金融庁長官「地銀は地元融資強化を」

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講演する森長官(5月10日、東京都千代田区の経団連会館で)
講演する森長官(5月10日、東京都千代田区の経団連会館で)

 金融庁の森信親(のぶちか)長官が5月10日、東京・大手町の経団連会館で開かれた読売国際経済懇話会(YIES)で講演した。超低金利で経営環境が悪化している地方銀行に対し、「取引先企業の経営を安定化させることで、自らの経営の安定を図れる」と述べ、積極的な融資などによる地元企業への支援強化を求めた。

 一部の地銀が、貸し出しによる利益を目指し、地元を離れて首都圏などでの融資を獲得しようとしていることが競争を激化させて、貸出金利の低下を招いている。

 森氏によると、地元の中小企業に対する融資を増やしている地銀では、貸出金利の下げ幅が小さい傾向が見られる。地方では人手不足や低い生産性を克服するため経営改善を目指す中小企業も多い。

 森氏は中小企業との関係構築について「単に(お金を)貸し付けるだけでなく、生産性の向上につながるような助言を行うことで、地銀の収益性を確たるものにできるだろう」と述べた。また、家計が保有する金融資産約1800兆円の半分超が現預金として滞留している現状の変革も課題に挙げた。銀行や証券会社などが販売する金融商品について、「手数料稼ぎが目的で、顧客不在になっていないか」との懸念を示した。

地銀は「目利き力を」 手数料稼ぎ批判

 金融庁の森信親長官が読売国際経済懇話会(YIES)の講演で、地方銀行に対して地元企業への融資に注力すべきだと指摘したのは、地域での収益基盤の構築が、地銀だけでなく、日本経済の成長にとって必要だとの考えがある。

 森氏は、地銀による融資が、担保を提供できる一部の優良企業に集中しやすく、金利競争に陥っていると指摘した。一方で、銀行に将来性を見抜く「目利き力」がなく、融資を受けられない企業もある。森氏は「リスクがあると貸出先は審査ではじかれる。審査体制や業績評価の仕組みを変えないといけない」と銀行に姿勢の転換を求めた。

 日本銀行の金融緩和により貸出金利が低下する中で、「銀行は収益を補うため、外国債券の運用やアパートローン(不動産融資)に乗り出しているが、抜本的な解決になっていない」とも指摘した。

 「顧客の資産形成を助けるような商品の作り方、売り方をしていない」。森氏は金融機関による金融商品の販売方法を批判した。日本の売れ筋の投信の販売手数料は米国の5倍以上で、何度も同じ顧客に商品を売り買いさせる「回転売買」も行われているとされる。顧客の資産をどう増やすかよりも、手数料を稼ぐことに腐心しているとの指摘だ。

 高齢化社会を迎え、家計が将来に備えて資産を蓄えるためにも、金融機関のこうした姿勢は障害になる。森氏は金融機関は顧客の立場に立って、商品を分かりやすく説明することなどを求めた。顧客に適した商品を提供し、資産形成を後押しすべきだとの考えだ。 

講演要旨

■地方銀行

地域金融機関は国内の貸し出し業務が主な収益源だが、生産年齢人口が減少を続け、貸し出し需要は今後も減ることが予想される。利ざやの減少には構造的な面も多い。

金利競争を行うだけでは利益率は落ちていく。企業は低い金利よりも自らの事業に対する理解や信頼関係を求めており、銀行と企業のニーズのミスマッチがある。そうした中、利回りの減少が緩やかなのは、地域密着型で地元を大切にしている金融機関だ。地方の人手不足は深刻だ。生産性向上につながるような助言と融資を行うことで、企業とともに地銀の収益性を確たるものにできるだろう。

■資産運用

 家計の金融資産は1800兆円に上るが、半分以上が現預金で資産運用のリターンが低い。銀行や証券会社などが顧客に売る商品は手数料稼ぎを目的とするものが多く、顧客不在になっていないかという問題がある。

 国民の資産を安定的に拡大していくことは高齢化が進む中で一つの課題だ。長期、積み立て、分散投資の三つが鍵になる。金融機関はリスクを平易な形で明確に示すなど、顧客本位の情報提供をするべきだ。金融機関が顧客本位であるかどうかを評価する枠組みが、民間主導でできないか検討している。

(2017年5月11日朝刊) 

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1635848 0 読売国際経済懇話会(YIES) 2020/10/07 02:00:00 2020/10/07 02:00:00 2020/10/07 02:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201118-OYT8I50083-T.jpg?type=thumbnail

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