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2012年4月 アンヘル・グリアOECD事務総長「消費増税 全面的に支持」

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 経済協力開発機構(OECD)のアンヘル・グリア事務総長は4月25日、東京・内幸町の帝国ホテルで開かれた読売国際経済懇話会(YIES)で講演した。日本が取り組むべき課題として、労働市場の二極化や男女格差の解消、財政再建などを挙げ、「格差の原因となっている構造の改革が必要だ」と訴えた。

 グリア氏は、日本でも他のOECD諸国と同様に、1980年代半ばから所得格差が拡大していると指摘。最大の要因は賃金の格差にあり、非正規労働者の社会保障の適用範囲の拡大や職場訓練の充実などが必要との見方を示した。

 少子高齢化が招く労働力不足については、「移民の受け入れよりも女性の進出を」と処方箋を示した。夫婦の共働きがメリットをもたらすような税制の導入や給与制度の見直しなどを進めるべきだと指摘した。

 教育についても、「裕福な家庭の子供は塾に通い、成績を上げ、よい大学に通えるという循環が続くと、社会的な流動性が失われる」との懸念を示した。

 財政再建に関しては、政府の消費税率を2015年に10%まで引き上げる方針に「全面的に支持を表明したい」と賛意を示した。 

講演要旨

■所得格差

 日本でも他のOECD諸国と同様に1980年代半ばから所得格差が拡大している。政府は国民の生活水準を高める使命を持つが、日本社会の不確実性は中産階級まで到達している。公平さの確保、(政府の)失われた信任を取り戻すことが必要だ。格差の最大の原因は、賃金の格差の拡大にある。日本では非正規労働者の割合が2010年には1990年の2倍の約34%に達している。正規労働者と非正規労働者の格差を縮小し、労働市場の二極化を手直ししないといけない。

■男女格差

 高齢化で労働力が減っていく影響を軽減する必要がある。移民受け入れより、女性進出を進める方が手っ取り早い。手の届く価格で質の高い保育サービス提供や給与見直しなど、女性にとって魅力的な雇用機会を作り出すべきだ。共働きでない方がメリットをもたらすような税制も見直すべきだ。

■教育

 日本の制度はあらゆる意味で模範的だが、改善の余地がある。日本の公共支出に占める幼児教育の割合はOECDで下から3番目だ。裕福な家庭の子供は塾に通い、成績を上げ、よい大学に通えるという循環が続くと、社会的な流動性が失われる。塾への依存度を低くし、子供の成績と家庭の所得のつながりを断ち切ることで長期的な格差是正が期待できる。

■税制改革

 日本の社会的支出は高齢者と医療に集中して費やされており、社会福祉制度の改革が必要だが、財政状況を考えるとお金をかけられない。政府の債務残高は未知の領域にある。歳出削減と歳入増による財政健全化が必要だ。間接税を中心に据えることは、長期的成長のために重要だ。消費税を5%から10%に引き上げる首相の提案を全面的に支持したい。税率を上げるのに時間をかけるのは良くない。

(2012年4月26日朝刊)

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1719207 0 読売国際経済懇話会(YIES) 2020/10/02 05:00:00 2021/02/10 19:27:03 2021/02/10 19:27:03 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201222-OYT8I50033-T.jpg?type=thumbnail

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