人生は1回きり…「小さな灯台」から「生き・逝く」を考える

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編集委員 猪熊律子

 新しい年が明けた。「母が九十○歳にて永眠いたしました。喪中のため新年のご 挨拶(あいさつ) は失礼させていただきます」「高齢のため、本年をもちまして年始のご挨拶状をご遠慮させていただきます」――こんな喪中はがきや「年賀状じまい」を受け取る機会が格段に増え、自らの年齢を顧みるとともに、日本の高齢化や長寿化を実感している。

その実感を味わっていただくために、ここで三つほどクイズを。

100歳以上は全国に何人、30年前の平均寿命は?

増えてくるお年寄りに、様々な課題も浮かんでくる
増えてくるお年寄りに、様々な課題も浮かんでくる

Q1 100歳以上は全国に何人いますか?

(A)1.9万人 (B)3.5万人 (C)8.6万人 (D)10.1万人

Q2 女性の平均寿命は87歳。現在65歳の女性はその後、平均して何年生きると思いますか?

(A)19年 (B)22年 (C)24年 (D)29年

Q3 男性の平均寿命は81歳。約30年前、1990年の平均寿命は何歳でしたか?

(A)68歳 (B)73歳 (C)75歳 (D)79歳

 では、答えを。

 Q1 厚生労働省によると、2021年の100歳以上人口は8万6510人。うち88%が女性だ。老人福祉法が制定された1963年にはわずか153人だったことを思うと、隔世の感がある。しかし、これだけで驚いていてはいけない。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、100歳以上は今後も増え続け、ピーク時の2074年には71.7万人に達する。70万人といえば、高知県の人口に近い人数だ。そういえば昔、アメリカで、シニアパワー発揮のために高齢者が作った平均年齢77歳の街を取材したことを思い出した。これだけ長寿者が増えてくると、100歳以上の人が暮らしやすい街づくりとは何なのか、現在65歳以上とされている「高齢者」の定義は今のままでよいのかなど、様々な課題が浮かんでくる。答えは (C)

 Q2 厚生労働省の2020年簡易生命表によると、女性の平均寿命は87.74歳。「87-65=22年」だから答えは(B)。と考えがちだが、65歳時点の平均余命を見ると24.91年とある。つまり答えは (C) 。平均寿命には0歳で亡くなるなど65歳前に死亡した人も含まれる。これに対し、65歳まで生き延びた人だけを集め、その残りの生きる年数を見ると、寿命はもっと長くなることがわかる。ちなみに2020年に65歳の人の場合、女性の16%、男性の4%が100歳まで生きると予測されている。

 Q3 1990年の男性の平均寿命は75.92歳。なので、答えは (C) 。この30年間で男性の平均寿命は約6年延びた。振り返ってみると、戦後の1947年には男性の平均寿命は50.06歳、女性は53.96歳で、「人生50年時代」。それが今では「人生80年時代」を経て「人生100年時代」となった。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、平均寿命は今後も延び続け、2045年には男性は83.66歳、女性は90.03歳となる見込みだ。

 不老長寿は人類の夢といわれてきた。日本では「国民皆保険」制度の創設が長寿化に大いに貢献したのは間違いない。他方、長寿は必ずしも喜ばしいことばかりではなく、子どもに先立たれるケースや、「長生きリスク」(長生きすることにより老後の資金が不足し、生活困窮に陥るリスク)という言葉も最近よく耳にするようになってきた。

 「いかに生き」、「いかに逝くか」。

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