人魚とプラスチックごみの重さ

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社会部デスク 足立大

 おとぎ話「浦島太郎」の主人公がウミガメに乗ってたどり着いた竜宮城は、今の沖縄・南西諸島の海の底にあったのかもしれない。そして、浦島太郎が至福の時間を過ごした乙姫様は、人魚の原型だったという(笹間良彦「人魚の系譜」五月書房)。

和歌山県橋本市の西光寺境内の学文路苅萱(かむろかるかや)堂にまつられている「人魚のミイラ」
和歌山県橋本市の西光寺境内の学文路苅萱(かむろかるかや)堂にまつられている「人魚のミイラ」

 半人半魚を略して「人魚」と呼ぶ。人と魚を上半身、下半身のどっちに置くかは国と時代によって違うけれど、世界中に人魚伝説は残る。漁師がサメやジュゴンやアザラシの風体を人と見誤った可能性もある。でも、江戸時代の日本で人魚の「ミイラ」は御利益のある見世物としてはやり、欧米に輸出までされていた。今も和歌山県等で大切に保管される。

 海の中は人知の及ばない異世界であり、それだけに伝承をあまた生む想像力の源泉でもあった。<人間は何千年という時代をかけて人魚を生み育ててきた。いま生きている人の心のなかにも人魚はきっと潜んでいる。この殺伐とした世の中にあるからこそ、あなたの人魚を広い海で自由に泳がせてやってほしいと願う>。同著は結んでいる。

 今、その人魚の世界は危機にある。それも、人間が作り出したプラスチックによって。

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1409332 0 デスクの目~社会部 2020/08/14 15:00:00 2020/08/14 16:28:20 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/08/20200813-OYT8I50045-T.jpg?type=thumbnail

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