やちまた

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社会部デスク 足立大

 道が八つに分かれている所を「八衢(やちまた)」という。転じて、道がいくつもに分かれ、迷いやすいことの例えにも使う。そんな「やちまた」について書きたい。

 私が社会部に赴任した16年前、読売新聞の教育面に「あのころ」というコーナーがあった。記者が話を聞きたい人物を選定し、取材を申し込む。その人物が幼少期の体験からどのような教訓を得て、人生にどう生かしたのか。それが各回に通底するテーマだった。

 私は、児童読み物作家の山中(ひさし)さんに取材を依頼し、自宅にお邪魔した。悪きをくじき、弱きを助けるガキ大将が主人公の「あばれはっちゃく」や、小学生の男児と女児の体がひょんな弾みで入れ替わる騒動を描いた「おれがあいつであいつがおれで」……。かつて、山中さんの作品は次々とドラマ化や映画化をされていた。

 山中さんは取材で、作家の原体験は幼少期の戦争体験にあること、価値観を反転させられて大人は信用しないと誓ったこと、いつの時代の子どもにも読まれる物語を届けたいこと、魂は自由であってほしいとの願いをどの作品にも込めていること等を率直に語ってくれた。

 2時間が過ぎて写真撮影も終え、そろそろ失礼しようと思っていたら、ふいに問われた。「ところで、どうして僕を取材しようと思ったの?」。幼い頃、祖父の家でワクワクしながら山中さんの作品を読みふけったからです。そう答えると、山中さんはしばらく考え込み、私に祖父の名を尋ねた。そこで、山中さんと私の祖父が友人同士だったことが判明した。

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1498897 0 デスクの目~社会部 2020/09/25 15:00:00 2020/09/25 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200924-OYT8I50017-T.jpg?type=thumbnail

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