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社会部デスク 新庄秀規

 前任者とあえて同じ話題から始めたいと思う。

 「あばれはっちゃく」である。

 手のつけられないあばれものという意味の、どこかの地域の方言なのだそうだ。強烈なインパクトのある言葉で、忘れようにも忘れられない。勉強はイマイチだけど、情が厚い悪ガキの小学生・長太郎が大人をやっつけるお話だが、TVドラマ版では毎回、粗相を働いた長太郎を父ちゃんが殴りつける。

 「てめえの馬鹿(ばか)さ加減にはなぁ、父ちゃん情けなくて涙が出てくらぁ」

 涙が出る前にすでに手が出ているところが笑えないのは時代なのだろう。ちなみに、父ちゃんを演じた東野英心は、この後、「中学生日記」というドラマで心優しい教師を演じるのだけれど、父ちゃんの印象が強すぎて、いつ生徒をぶん殴るのだろうとソワソワしながら見ていたのを思い出す。もちろん、そんなことは起きなかったのだけれど。

 読売KODOMO新聞という週刊紙の編集長として、「子ども向けの生き生きとした物語はないものか」と考えていた時に、思い浮かんだのが、このあばれはっちゃくだった。

 原作は山中恒さんの小説。ネットで古本を見つけ、読み始めると、やっぱりおもしろい。長太郎が元気に走り回る姿を追っていると、文庫本1冊はあっという間に読み終わってしまった。どうやら父ちゃんの鉄拳シーンはTV版のオリジナルだったようだ。

 そして、最大の驚きは、奥付を見たときに訪れた。

 「この作品は、よみうり少年少女新聞(一九七〇年六月二日~一九七二年三月三〇日)に連載されました」

 そこには聞いたことのない新聞の名前が書いてあった。

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1532866 0 デスクの目~社会部 2020/10/09 15:00:00 2020/10/09 15:08:06 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201007-OYT8I50033-T.jpg?type=thumbnail

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