眼科医が主治医に! コロナ医療のいま

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社会部デスク 木下敦子

 日本の医師免許は万能である。

 ひとたび取得すれば、医師は専門分野にかかわらず、どんな医業をやってもいい、ということになっている。医師法は、<医師でなければ、医業をなしてはならない>と定めているだけで、それ以上のことは書いていない。

 よくドラマなどで、飛行機内で体調不良の乗客が出た場合に、「どなたかお医者さまはいらっしゃいませんか?」と客室乗務員が呼びかけるあの場面が、まさにそのことを象徴している。お医者さまであれば、一通りの医学の知識があり、外科でも内科でも救命救急でも、一通りの訓練を積んでいる、というのが日本の医師免許制度の前提であり、医師免許への信頼の高さでもある。

厚労省課長の発言、法律上は可能だが……

 だから先日、厚生労働省の課長が記者たちに言ったこの言葉は、そう変なことではない。

 「極端に言えば、眼科の先生にもコロナの患者さんを診てください、という状況になりつつあるのです」

感染症法に基づき、医療機関に病床確保などを求める小池百合子都知事(左)と、田村憲久厚生労働相(8月23日、厚労省で)
感染症法に基づき、医療機関に病床確保などを求める小池百合子都知事(左)と、田村憲久厚生労働相(8月23日、厚労省で)

 新型コロナウイルスの感染拡大で病床が足りない。なので、(コロナ診療にはあまり関係がない)眼科医までも動員して、コロナ病床を増やしたり、ワクチン接種を進めたりしてほしい、と、厚労省は東京都とともに8月23日、都内のすべての医療機関に要請した。<極端に言えば……>というのは、その時の厚労省医政局総務課長の言葉である。

 確かに眼科医がコロナ患者を診ることは、法律上は何の問題もない。

実際にコロナ患者を担当した眼科医は

 「でもまさか、自分がコロナ患者の主治医になるとは思いませんでした」

 と、東日本の病院に勤める若手眼科ドクターは明かした。

 なんと、コロナ患者の主治医を務める眼科医は本当にいるのである。

 話を聞いてみると、その病院では日に日にコロナ入院患者が増えて、感染症専門の医師だけではとても足りず、外科や、そのほかの診療科の医師たちもどんどん動員されているという。若手眼科ドクター氏も、ある患者さんを任された。

 日本では2004年度から、新人医師の臨床研修制度が必修化され、将来的にどの分野を専門にするかは別として、すべての医師はまず、研修先の病院で、さまざまな診療科(内科や外科、救急など)を数か月ずつ、一通りぐるっと経験することになっている。若手眼科ドクター氏も、この臨床研修を積んだ。

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2354025 0 デスクの目~社会部 2021/09/10 15:00:00 2021/09/09 17:25:05 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210908-OYT8I50064-T.jpg?type=thumbnail

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