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青ヶ島のモーゼ…故郷帰還の偉人・佐々木次郎太夫

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社会部デスク 高沢剛史

 人に、土地に歴史あり――。新聞にはそうしたことを伝える記事を載せたいと思う。

住民約170人、全国自治体で最少人口の孤島

 都心から南に約360キロ離れた孤島・青ヶ島村で先日、村長選・村議選があった。同村の人口は約170人。全国の自治体で人口は最少だ。取材のため記者を派遣した。

村役場そばにある佐々木次郎太夫の像(青ヶ島で)
村役場そばにある佐々木次郎太夫の像(青ヶ島で)

 現地に赴いた記者が、道ばたで右手を上げている古い銅像を見つけた。ボロボロの船らしきものの上に立っている。台座には「 還住(かんじゅう) 像」の文字がある。ずいぶん不思議な像だなと思ったという。

 近くの図書館に赴き、由来を調べていると、親切な職員がすっと後ろに立ち、こう教えてくれたそうだ。「江戸時代、島内では火山が噴火して、住民は八丈島に避難した。この像の人物は避難から40年後、島民を率いて島に帰してくれたんですよ」。島から戻ってきた記者は、像にまつわる歴史を記事にまとめ、朝刊都内版のトップを飾った。

 青ヶ島は黒潮にあらがい、太平洋に頭を突き出す火山島で、周囲9キロは全て断崖絶壁だ。その雄々しい姿を写真で見て、いつか訪問してみたいと思っていた。近所の酒店で「青酎」という特産の焼酎が販売されており、その一癖ある味わいも気に入っている。

大噴火で島民約6割が死亡、田畑も水源地も壊滅

 ただ、島の歴史は過酷だ。会社の図書室にあった「青ヶ島島史」などを開いてみる。江戸時代の天明年間(1781~89年)に繰り返し大噴火が起き、島民383人のうち220人が死亡した。当時は噴火のことを「山焼き」と言っていたらしい。地響きで島全体が震え、水源地は潰れ、田畑は火山灰に埋まった。「稲妻のように火が燃え立っている」との記述もある。生き残った人は約70キロ離れた八丈島に船で逃げた。その先にも苦難が待っていた。

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2462585 0 デスクの目~社会部 2021/10/22 15:00:00 2021/10/22 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/10/20211021-OYT8I50051-T.jpg?type=thumbnail

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