落下傘たたんで64年、陸自隊員の命を預かる部隊

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社会部デスク 高沢剛史

 自衛隊は時に過酷な訓練を行う。その安全管理は、地味だが、しかし堅実な隊員の日々の作業が支えている。落下傘に命を託し、輸送機から飛び出す 空挺(くうてい) 部隊の訓練ならなおさらだ。

跳び出すイメージは「東京タワーの高さを走る新幹線から」

輸送機から跳び出す第1空挺団員(1月13日、千葉県の陸自習志野演習場で)
輸送機から跳び出す第1空挺団員(1月13日、千葉県の陸自習志野演習場で)

 地上から眺めるパラグライダーは、青空を背景に実になめらかに飛んでいるように見える。でも、実際に乗ってみると、意外に揺れる。20歳代の頃、北アルプスの麓にある長野県小谷村に通い、パラグライダーをしていたことがある。パラシュートのような形をした翼を風で膨らませ、頭上に持ち上げる。それにぶら下がって飛ぶスポーツだ。山頂から離陸すると、お尻から地面までの約400メートルには空気しかない。でも、上昇気流を受ければ、機体はボコボコ持ち上げられる。自然が相手だから、翼が大きく変形し、操縦不能になる可能性だってある。そんなときは、小さなコンテナに収めた「レスキューパラシュート」を放り投げる。すると空中で傘が開き、地上まで降ろしてくれるのだ。幸い1回も使ったことはないが、まさに命綱として頼りにしていた。

隊員は落下傘を使って降下する(同)
隊員は落下傘を使って降下する(同)

 体一つで空を飛んだ経験があるからこそ、陸上自衛隊の落下傘部隊「第1空挺団」が毎年1月、千葉県の習志野演習場で公開する訓練には注目してきた。今年は離島防衛を想定して13日に開催された。参加した約280人の隊員は、時速240キロの速度で、高度340メートルを飛行する輸送機から一斉に降下。地上に降りると小銃や迫撃砲を使い、敵を排除するまでの手順を確認した。

 「東京タワーの高さを走っている新幹線から跳び出すイメージですかね」。輸送機から降下した経験がある陸自幹部はこう語る。扉から空中に身を躍らせると、風圧ですぐに体は後方に吹き飛ばされる。そして、輸送機の胴体に描かれた日の丸が、あっという間に目の前を流れすぎていくという。落下傘に絶対の信頼を置いていなければ、とてもできない訓練だろう。

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2709148 0 デスクの目~社会部 2022/01/28 15:00:00 2022/02/04 15:30:24 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/01/20220127-OYT8I50003-T.jpg?type=thumbnail

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