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「経済の鏡」に映る姿は現実?…歴史的な株高

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経済部デスク 松原知基

 ノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎博士(1906~1979)は子どもの時、鏡をかざしてぶらぶら歩くのが好きだったという。「いままで壁だと思っていたところに窓があったり、部屋のないところに部屋ができたり、(中略)そういうことがひじょうにおもしろかったのです」

朝永振一郎
朝永振一郎

 著書「鏡の中の物理学」(講談社学術文庫)で語っている。鏡に映る窓や部屋の様子を見て歩き回る、好奇心旺盛な少年。朝永博士によると、物理学者には鏡に興味を持つ人が多いという。鏡に映る世界と現実の世界との関係が、学問的な関心をかき立てるそうだ。

 筆者は物理学者のような探究心は持ち合わせておらず、鏡を見る理由はいたってシンプル。顔を洗ったり、ネクタイを締めたりする時に欠かせない、生活の必需品。鏡は、ありのままを映すもの。そう信じてきた。

 そんな「鏡」に疑問が湧く。本当にありのままを映しているのだろうか。「経済を映す鏡」と言われる株価のことだ。

 先月24日のニューヨーク株式市場で、ダウ平均株価(30種)は史上初めて3万ドルを突破した。東京株式市場でも日経平均株価(225種)は2万6000円台をつけ、約29年ぶりの高値を更新した。新型コロナウイルスのワクチン開発への期待が相場を大きく押し上げた。

値上がりした日経平均とダウ平均を示す株価ボード(東京都中央区で、2020年11月25日撮影)
値上がりした日経平均とダウ平均を示す株価ボード(東京都中央区で、2020年11月25日撮影)

 だが、ちょっと待ってほしい。実体経済とかけ離れていないか。

 感染者数は日本だけでなく世界で再拡大しており、外出制限を再開した国さえある。企業の多くは、2021年3月期決算で減益や赤字を見込む。日本の実質国内総生産(GDP)は20年7~9月期にプラス成長に転換したものの、GDPの実額は「コロナ前」の水準にほど遠い。

 そんな中、株価だけが「コロナ前」を取り戻すだけでなく、歴史的な高値をつけている。リーマン・ショックが起きた08年と比べても、その急回復ぶりは明らかだ。

 08年9月に米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻して金融市場は大混乱に陥り、ダウ平均は10月6日に1万ドルを割り込んだ。大台を回復するまでに1年もかかった。日経平均も10月8日に1万円を割り込み、戻ったのは8か月後だった。

 ところが、コロナ・ショックではダウ平均が今年3月23日に1万8591ドルの安値をつけた後、8か月後には2万ドルどころか3万ドルを超えてしまった。日経平均は3月19日に1万6552円まで下がったが、翌4月にはすんなり2万円台を回復し、上昇傾向が続いている。

 株高には一定の根拠もある。

 日本銀行をはじめとする各国・地域の中央銀行がそろって大規模な金融緩和に踏み切り、大量のマネーを市場に供給している。例えば、日銀は3月に上場投資信託(ETF)の購入枠を倍増するなど、株式相場を事実上、支える役割を果たしている。

 さらに、今は景気が落ち込んでいてもいずれワクチンが開発、実用化され、経済活動は正常化するだろう、という期待がある。米ファイザー、英アストラゼネカといった製薬大手の治験結果も背景にある。リーマン時とは違い、明るいニュースが出るのも早かった。

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1667582 0 デスクの目~経済部 2020/12/02 15:00:00 2020/12/02 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201130-OYT8I50033-T.jpg?type=thumbnail

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