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避けたい「ガラパゴスHV」

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経済部デスク 松原知基

 「ガラパゴス諸島」は、南米大陸から約1000キロ・メートルも離れ、固有の動植物が独自の進化を遂げたことで知られる。のっそりと歩く巨大なゾウガメを思い浮かべる人も多いだろう。ゾウガメはスペイン語で「ガラパゴ」で、群島名の由来にもなった。

「ガラパゴス諸島」をのっそりと歩くゾウガメ
「ガラパゴス諸島」をのっそりと歩くゾウガメ

 

チャールズ・ダーウィン
チャールズ・ダーウィン

ガラパゴス諸島の動植物を観察し、「進化論」の着想を得たという英国の科学者、チャールズ・ダーウィン(1809~1882)は、「ビーグル号世界周航記」(荒川秀俊訳、講談社学術文庫)でこう記している。

 「年をとったカメは、絶壁から転げ落ちるような事故のほかには、ふつうあまり死なないようである。少なくとも、二、三の住民たちは、カメがなにかはっきりした原因もなく死んだのを見たことがないと私に話してくれた」

 「亀は万年」というが、ダーウィンの目にも、しぶとく生き残る固有種という印象を与えたようだ。

 近年の日本で「ガラパゴス」と言えば、国内で独自の進化を遂げたものの海外では普及せず、世界の潮流に乗り遅れた製品をやゆする言葉として用いられる。「ガラケー(=ガラパゴス携帯電話)」が典型例だ。

 そのガラパゴス化が、いずれ日本の自動車にも及ばないだろうか。

 経済産業省は今月10日、自動車メーカーや有識者らによる検討会で、電動車のさらなる普及に向けた課題などを議論した。月内に示す脱炭素社会に向けた実行計画の中で、2030年代半ばに新車販売の全てをハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)などの電動車とする目標を掲げる方針だ。英国やフランスなどの主要国が将来のガソリン車販売禁止を相次いで打ち出す中、やや出遅れた感はあるものの、世界の潮流に乗っているように見える。

 だが、このうちHVが問題だ。

世界初の量産HV「プリウス」と奥田社長
世界初の量産HV「プリウス」と奥田社長

 日本は20年以上、HVのトップランナーであり続けてきた。トヨタ自動車が1997年、世界で初めて量産HV「プリウス」を発売し、その後は他のメーカーも続々と追随した。今や国内の主力車種の多くで、ガソリン車だけでなくHVモデルが販売されている。

 エコカーとしてのプリウスを世界に知らしめたのは2005年。レオナルド・ディカプリオ氏らハリウッドスターが米アカデミー賞の授賞式会場にプリウスに乗って現れ、「環境意識の高い人が乗るクルマ」というイメージが広がった。まさに絶頂期だった。

 HVは日本にとって大きな成功体験の一つとなったが、今後は逆風が吹きそうだ。経産省が全面移行の検討を始めた「電動車」のうち、モーターで走るEVや水素を燃料とするFCV、自宅などで充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)に比べ、HVはガソリンエンジンと電気モーターを併用して走行するため、環境性能では最も劣るのだ。

 ちなみに英国では30年にガソリン車やディーゼル車の販売を禁止し、35年からはHVも禁止となる。米カリフォルニア州でも35年にEV、FCVを100%にするというから、HVは売れなくなる。主要国でHVは時代遅れになりかねない。

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1702729 0 デスクの目~経済部 2020/12/16 15:00:00 2020/12/16 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201214-OYT8I50010-T.jpg?type=thumbnail

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