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「粘着」する日銀…2%の物価目標見直しを

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経済部デスク 松原知基

 「粘着」というネットスラングが定着したのはいつ頃からだろうか。ツイッターなどのSNSやインターネットの掲示板で、しつこく批判や誹謗(ひぼう)中傷を繰り返す行為を指す。ツイッター社はヘルプセンターで、不快な書き込みが続く場合、相手のアカウントをブロックすることを推奨している。「嫌がらせをしている人物の多くは、相手が反応しなくなると興味を失います」とも記している。

日本銀行
日本銀行

 日本銀行も「粘着」に四苦八苦している。今月19日に公表した金融政策の点検結果で、目標とする2%の消費者物価上昇率をなかなか達成できない理由の一つに、「粘着」を挙げたのだ。

 日銀は、人々の予想する物価上昇率が高まれば、現実の物価の上昇につながると考えている。逆に言えば、人々が物価は上がらないと予想すれば、現実の物価も低迷する。人々の予想物価上昇率について、こう表現した。

 「粘着性が高い」

 どういうことか。「長期にわたるデフレの経験によって定着した、物価が上がりにくいことを前提とした人々の考え方や慣行の転換には、時間がかかる」という。つまり、日本人にはデフレ心理が染みついており、物価は上がらない、上がってほしくないという人が多い。そのせいで物価目標の達成が遅れている、というわけだ。

 日銀は、こうした「粘着」をブロックするわけにもいかないし、人々が興味を失ってくれることもない。やっかいな相手だと考えているのだろう。

 あまり注目されなかったが、今回の点検結果には驚くべき分析もあった。

 まず上場投資信託(ETF)の買い入れについて。日銀は近年、購入額を増やしており、事実上、株式相場を押し上げる役割を果たしてきた。2月3日の小欄では、買い入れをずるずると続けるリスクを取り上げた。

 点検結果では、議決権を行使しない日銀が株式を保有することで、コーポレートガバナンス(企業統治)への監視機能が弱まるとの指摘があるとしたうえで、「先行き、保有ETFの残高がさらに増加するにつれ、こうした懸念は高まる可能性がある」と表記した。

 保有するETFを構成する株式が下落した場合、日銀が損失を抱え、財務に悪影響が及ぶ懸念もある。これについても「先行き、保有ETFの残高がさらに増加するにつれ、財務面への影響は大きくなる」と明記した。

 BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「ETF購入の見直しは、今回の点検の一丁目一番地だったが、弊害について、日銀は明確に認めた」と指摘する。現在の金融政策にリスクがあることを自ら明らかにした点は、評価してよい。

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1949421 0 デスクの目~経済部 2021/03/31 15:00:00 2021/03/31 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/03/20210329-OYT8I50036-T.jpg?type=thumbnail

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