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東芝再建策、見たかった外資案

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経済部デスク 松原知基

 先月、家電業界でちょっとした異変が起きた。

東芝のテレビブランド「REGZA」の発表風景。現在は中国ハイセンスの傘下に入っている(2006年2月、東京都中央区で)
東芝のテレビブランド「REGZA」の発表風景。現在は中国ハイセンスの傘下に入っている(2006年2月、東京都中央区で)

 調査会社BCN(東京)によると、液晶テレビの月間販売台数シェア(市場占有率)で、「東芝」ブランドが20.5%を占め、初めて首位に立った。調査が始まった2004年10月以来、16年5か月にわたって不動のトップだったシャープを上回ったのだ。

 「東芝」ブランドと書いたのは、東芝が製造したテレビではないからだ。現在の製造元は「TVS REGZA」。東芝のテレビ事業は18年に中国家電大手ハイセンスの傘下に入り、「TOSHIBA」や「REGZA(レグザ)」といったブランドが継承されている。

 BCNの道越一郎氏は、躍進の要因の一つとして「ハイセンスの傘下に入った結果、中国で部材を安く調達し、販売価格を抑えられるようになった」と指摘する。採算が悪化して手放された「東芝のテレビ」は、外資の傘下で息を吹き返したようだ。

東芝の事業計画について説明する車谷暢昭社長CEO。かつてはCVCの日本法人会長も務めた(2018年11月、東京都港区で)
東芝の事業計画について説明する車谷暢昭社長CEO。かつてはCVCの日本法人会長も務めた(2018年11月、東京都港区で)
CVCの主要拠点となる事務所が入る英ロンドンのビル
CVCの主要拠点となる事務所が入る英ロンドンのビル

 一方、本家の東芝は資本政策を巡って揺れた。

 英投資ファンド「CVCキャピタル・パートナーズ」が買収の「初期提案」をしたのは今月6日。東証1部に復帰したばかりの東芝株を全て取得して非公開化し、「物言う株主」の圧力から逃れて経営の自由度を高めるという内容だった。

 衝撃を受けると同時に、ずいぶん虫の良い話だと思った。(くるま)(たに)(のぶ)(あき)社長最高経営責任者(CEO)はCVC日本法人の元会長。「物言う株主」と対立し、今夏の株主総会での再任さえ危ぶまれていた車谷氏が、古巣を頼って保身を図ったとみられてもやむを得まい。

 結局、車谷氏は14日に辞任した。同日の記者会見には姿を見せず、「いったん激務から離れて心身ともに充電したい」とのメッセージが公表された。不信感を強めた取締役の間では、車谷氏の退任を求める動きもあったというから、追い込まれた末の辞任だろう。

 その後、CVCは買収提案を事実上、撤回したため、ひとまず買収騒ぎは終わった。CVCの提案が車谷氏の深謀遠慮だったかは別にして、今回の特徴の一つは、買い手が外資だったために、東芝の株主構成に高い関心が集まったことだ。

 東芝は原子力発電や防衛関連の事業を手がけ、改正外国為替及び外国貿易法(外為法)で、安全保障の観点から特に重要な「コア業種」に位置づけられる。買収には外為法に基づく政府の審査があり、そもそもハードルが高いとみられていた。さらに、東芝は石坂泰三、土光敏夫という2人の経団連会長を輩出した日本の名門企業。「外資の傘下に入るとは何事か」と受け止めた方も多かったかもしれない。

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2015344 0 デスクの目~経済部 2021/04/28 15:00:00 2021/04/28 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210426-OYT8I50011-T.jpg?type=thumbnail

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