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実感乏しい「安い携帯料金」

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経済部デスク 松原知基

 日本人は「ランキング好き」だという。都道府県の「魅力度ランキング」は毎回、各地で悲喜こもごもの反応を生む。「就職先人気ランキング」は学生だけでなく会社員も気になる。こうした順位づけは、ある分野の序列を分かりやすく示し、人々の関心を集める効果がある。

夏場所の番付表を手にする照ノ富士=日本相撲協会提供
夏場所の番付表を手にする照ノ富士=日本相撲協会提供

 独特の書体で力士の名前がびっしりと並ぶ相撲の番付表は、長い歴史を持つランキングの一種だ。大相撲夏場所で優勝した照ノ富士は、序二段からはい上がって大関に戻るという、いわばランキングを駆け上がっての快挙が喝采を浴びた。

 「大江戸番付事情」(石川英輔著、講談社文庫)によると、江戸時代から各種ランキングは人気があった。相撲番付の形式を借りた「見立(みたて)番付」が流行し、料理茶屋やうなぎ屋、酒、米の産地など、様々な番付表が出版されて江戸庶民を楽しませたという。こうした文化が、現在まで受け継がれてきたのかもしれない。

 気になっていたランキングが先月、発表された。総務省によると、世界の主要6都市の今年3月時点の携帯電話料金を比較したところ、需要の大きい月間データ容量20ギガ・バイト(GB)のプランで東京は月額2973円と、ロンドンに次ぐ2位の安さとなった。

 前年は8175円と国際的に高水準であることが問題視されていたから、まさに様変わりである。国際的な「携帯料金番付」で下位になるということは、利用者にとっては負担が減ったことになり、歓迎すべきことだ。

ドコモの新プラン「ahamo(アハモ)」により、世界の主要6都市の携帯電話料金で東京は大きく下がった
ドコモの新プラン「ahamo(アハモ)」により、世界の主要6都市の携帯電話料金で東京は大きく下がった

 携帯料金が安くなった背景には、NTTドコモが3月に導入した割安プランがある。総務省の国際比較には、各都市でシェア(市場占有率)1位の事業者の料金が使われる。東京はドコモの新プラン「ahamo(アハモ)」が反映された。

 国内ではドコモだけが安くなったわけではない。KDDIは「povo(ポヴォ)」、ソフトバンクは「LINEMO(ラインモ)」というプランで、アハモと同水準の料金に設定した。新たに契約した利用者は、大幅に安くなったことを実感しているだろう。

 ただ、今回の携帯料金ランキングには疑問を持つ人も多い。

 携帯料金引き下げの機運が高まったのは2018年。菅首相が官房長官だった時に「4割程度下げる余地がある」と指摘したことが契機となり、大手3社への値下げ圧力が強まった。寡占状態で多額の利益を上げていたことも問題視され、各社の格安プラン導入につながった。

 しかし、今回のランキングが発表されると、インターネット上では「安くなった実感はない」「菅政権の成果をアピールするためのランキングだ」などと反発する声が目立った。総務省は、かつて総務相を務めた菅氏の「直轄領」とも称されるだけに、「お手盛りランキング」と受け止める向きもあるようだ。

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2111283 0 デスクの目~経済部 2021/06/09 15:00:00 2021/06/09 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210607-OYT8I50054-T.jpg?type=thumbnail

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