アフガン情勢に学ぶ「教育にお金をかける」意味

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経済部デスク 五十棲忠史

 イスラム主義勢力タリバンが約20年ぶりにアフガニスタン全土を掌握した。混迷を深めるアフガン情勢に関連し、国内外のメディアによって多くの記事や写真が配信されている。

米軍の輸送機にすし詰めになってカブールから脱出するアフガン市民ら=AP
米軍の輸送機にすし詰めになってカブールから脱出するアフガン市民ら=AP

 最も衝撃的だったのは、8月18日付の夕刊各紙に掲載された写真。約640人ものアフガン人が、米軍の輸送機に乗り込み、首都カブールから脱出する様子を捉えている。「着のみ着のまま」の逃避行だが、一様に (あん)() の表情を浮かべているように見える。

 何度か読み返した記事もある。2本、紹介したい。

 1本は、アフガンの全寮制女子校が、学校ごとアフリカ東部の国ルワンダに移り、そこで授業を続けるというもの。もう1本は、アフガニスタンの元通信大臣が、ドイツで食品デリバリーの仕事をしているという記事だ。

教育は人生最大の投資

 女子校移転の記事が気になった理由は、その中で紹介されていた学校の共同創立者シャバナ・バシジラシクさんのコメントが印象的だったからだ。彼女は、米CNN(電子版)の記事中、父親から投げかけられたセリフを紹介しながら、こう語っている。

 「父は『持っている物はすべて失い、お金も盗まれるかもしれないが、あなたの中に存在するものは常にここにある』と話した。頭を指さして『教育は人生の最大の投資(Your education is the biggest investment in your life)だ』というのが口ぐせだった」

ドイツ語を毎日4時間

 複数の欧州メディアは、アフガンで2016年から18年まで通信相を務めたサイード・サダトさんが、ドイツ東部ライプチヒで食品デリバリーの仕事に従事しているという話題を報じた。報道によると、サダトさんはアフガンの治安が悪化した2020年にドイツに渡航。経験に見合った仕事を探したが、ドイツ語ができないため難航した。

 仏AFP通信の記事の中で、サダトさんは食品デリバリーの仕事について「恥ずかしいとは全く思わない。仕事があるということは需要があるということ。誰かがやらなくてはならない」と語っている。その一方で「このチャレンジは短期的。別の仕事を得られるまでだ」とも話す。

 現在、毎日4時間ドイツ語のレッスンを受けた後、自転車にまたがる。時給は最大15ユーロ(約2000円)だが、生活費はまかなえているという。

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2421590 0 デスクの目~経済部 2021/10/06 15:00:00 2021/10/06 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/10/20211004-OYT8I50040-T.jpg?type=thumbnail

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