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軽率だった「45歳定年制」発言…言い方を工夫すれば炎上は避けられた

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経済部デスク 五十棲忠史

 サントリーの新浪剛史社長の「45歳定年制」発言が、インターネット上で批判にさらされている。45歳で強制的に退職を迫られる制度と受け取られたためだ。

サントリーホールディングスの新浪剛史社長(2020年12月、東京都港区で)
サントリーホールディングスの新浪剛史社長(2020年12月、東京都港区で)

 今の日本で、定年退職の年齢を45歳に設定するのは現実的ではない。高年齢者雇用安定法の8条で「事業主がその雇用する労働者の定年の定めをする場合には、当該定年は、60歳を下回ることができない」と明確に定められている。

 43歳でローソンの社長になった新浪氏が、この法律を知らなかったとは考えにくい。年金受給開始年齢の引き上げが模索される中、定年になる年齢を引き下げる方向で法改正することが、いかに困難かも理解しているはずだ。では、なぜこんな発言をしたのか。

「会社に頼らない仕組みが必要」

 新浪氏の発言が飛び出したのは、9月9日。経済同友会の夏季セミナーで「45歳定年制にする。個人が会社に頼らない仕組みが必要だ」と問題提起したのだ。

 その後の記者会見で、新浪氏は次のように語っている。

 「(定年が)45歳になると、30歳・35歳で勉強する。自分の人生を考えるようになる」「私たちの時【注・新浪氏は62歳】は他の企業に移るチャンスが少なかったが、今はチャンスが出てきている」

 この日は、これ以上の突っ込んだ質疑は発生しなかったが、翌10日の記者会見で「定年という言葉を使ったのはちょっとまずかったかもしれない」と釈明したうえで、発言の趣旨をより丁寧に説明した。

 「クビ切りをするということでは全くない」「45歳は人生の節目。節目に自分の人生を考える仕組みをビルトインする。50歳になると少し遅い」「スタートアップ企業に行くとか、社会が色々なオプション(選択肢)を提供できる仕組みを作るべきだ。場合によっては(同じ会社への)出戻り制度もいい」「日本社会を再構築する時に、1960年代、1970年代をベースにした仕組みではまずい」

 きちんと発言を拾い上げれば、何を言いたかったのかは伝わってくる。

 働く人たちが、別の組織でも通用するよう自分の能力を高めることは有意義だ。働き方の選択肢が増えることは悪いことではない。人手が余っている業界から、これから成長が見込める業界へと労働力の移動が起これば、日本経済全体にとって望ましいことは間違いない。

 それでも、今回の新浪氏の発言は軽率だったと思う。「定年」という言葉には、ある年齢に達した人に対し、一律に退場を促すというネガティブな響きがある。20年近く経営者を続けている新浪氏の発言となれば、「給与水準の高い中高年の従業員を減らしたい」という本音が隠されていると受け取られかねない。

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2455153 0 デスクの目~経済部 2021/10/20 15:00:00 2021/10/20 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/10/20211015-OYT8I50034-T.jpg?type=thumbnail

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