旧ソ連の15か国 豊かになったバルト3国の共通点

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経済部デスク 五十棲忠史

 ロシアによるウクライナ侵攻が続いている。ロシアおよびウクライナ関連の記事を大量に読んでいるうちに、かつて取材したバルト3国の一つ、ラトビアを思い出した。

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 ウクライナと同様、ラトビアも旧ソビエト連邦を構成していた国である。首都リガを訪れたのは2013年12月。ラトビアは、欧州単一通貨ユーロの導入準備に追われていた。

国挙げて財政再建に取り組む

ユーロ硬貨のセットを手にした女性(ラトビアの首都リガで、2013年12月撮影)
ユーロ硬貨のセットを手にした女性(ラトビアの首都リガで、2013年12月撮影)

 ラトビアは、ロシアの影響力から逃れようと、西側諸国との接近を図ってきた。2004年に欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)に加盟。2014年1月からユーロ圏に入ることになっていた。

 EUが定める条件をクリアするため、国を挙げて財政再建に取り組んだ。公務員の給与カットや公共投資の抑制などで財政赤字を削減。ついにユーロ圏に参加できるという高揚感に包まれていた。取材したIT企業経営者は「自国通貨がなくなるのはさみしい」としながらも「外国企業と取引しているから、仕事上は便利になる」と前向きだった。

 取材の約束は取り付けていなかったが、急きょ会えることになったバルディス・ドムブロフスキス首相(当時。現在はEUの執行機関である欧州委員会の上級副委員長)は「ユーロ圏に入ることでラトビア経済の成長は促進される。貿易の7割はユーロで決済されているが、その際の両替コストがなくなるからだ。海外からの投資誘致にも役立つ」と語った。

ユーロ導入で成長

 ユーロは独仏の信用力を背景にしており、大幅な値下がりを心配する必要がない。ユーロという武器を手にしたラトビアは、首相の言葉通り、着実に豊かになっていく。

 2013年の時点で、国民の豊かさを示す「1人あたりGDP」は約1万5000ドルだったが、2020年には約1万7500ドルと、2割近く増えた。旧ソ連を構成していた15か国の中で3位に付けている。

 上位にいるのは、ラトビアとともにバルト3国を構成するエストニアとリトアニア。両国もラトビア同様、2004年にEUとNATOに加盟したという共通点がある。エストニアは2011年、リトアニアは2015年にユーロ圏に参加し、経済の安定成長を実現している。

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2896792 0 デスクの目~経済部 2022/04/06 15:00:00 2022/07/06 19:07:53 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/04/20220404-OYT8I50021-T.jpg?type=thumbnail

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