朝ドラ「エール」14日に再開 古関の葛藤どう描く
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戦中・戦後の体験を聞き書きする本紙連載企画「戦後75年 終わらぬ夏」初回の8月1日、「露営の歌」「オリンピック・マーチ」で知られる作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)(1909―89年)を取り上げた(記事はこちら)。その古関をモデルにしたNHK連続テレビ小説「エール」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で再放送が続いていたが、14日に新章がスタートする。ようやく、「再」の字が消える。楽しみだ。「軍歌の覇王」と称された作曲家の物語はくしくも、戦時色強まる時代からの再開となる。「自分の曲で若者が死地に赴いた」という古関の心の痛みをどう描くのだろうか。
「露営の歌」が大ヒット、中国で戦争の悲惨さ知る
ドラマが中断した時点で、窪田正孝さん演じる古山裕一は20代半ば。作曲家として飛躍の時期を迎えていた。「船頭可愛いや」の大ヒットに続き、「露営の歌」がメガヒットとなるのだ。


時代背景をおさらいしよう。1937年7月、日中戦争が勃発する。そこで、新聞社が戦意高揚のために歌詞を公募した。曲を付けたのが古関だった。
「勝って来るぞと勇ましく」と躍動感あふれる歌い出しの曲は、昭和37年生まれの記者の耳にも残っている。「手柄たてずに死なりょうか」と兵士の悲壮な決意を歌い、短調のメロディーは哀調を帯びる。この歌は、明日をも知れぬ戦地の兵士らが愛唱し、全国に広まった。