「差別」考えるきっかけをくれた7枚の黒マスク

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編集委員 川島健司

全米オープンを制し、トロフィーを手に笑顔の大坂(AP)
全米オープンを制し、トロフィーを手に笑顔の大坂(AP)

 テニスの全米オープン女子シングルスで9月12日、大坂なおみが2年ぶり2回目の優勝を果たした。

 今回の大坂は、大会前からその言動が大きな注目を集めた。警官らによる人種差別的な事件がなくならない現状に抗議して、直前の大会では、準決勝進出を決めた時点で、「私はアスリートである前に一人の黒人女性」と述べて、準決勝の棄権を示唆。大会主催者が大会の1日延期を決めたことで、準決勝は結局プレーしたが、今度は全米オープンで、差別的な事件で犠牲になった黒人の名前が書かれた黒いマスクを用意した。

マスク、「7枚でも足りないのが悲しい」

大坂が8日の準々決勝で会場入りする時に着用していたマスクには、今年5月に警官の不当な暴力で亡くなったジョージ・フロイドさんの名前が入っていた(AP) 
大坂が8日の準々決勝で会場入りする時に着用していたマスクには、今年5月に警官の不当な暴力で亡くなったジョージ・フロイドさんの名前が入っていた(AP) 

 人種差別撤廃への意識を高めるためというマスクの数は7枚。1回戦から決勝まで進んだ際にプレーする試合の数だ。昨年のウィンブルドンのように1回戦負けなどということになれば、格好がつかないところだったが、今年のスポーツ選手長者番付で女子トップの彼女は、自身の発信力を利用してそうした行動を取ることで自らを追い込み、勝ち続けて、世界中に差別の問題を考える契機をもたらした。

 彼女の発言でハッとしたのが、「マスクは7枚でも足りないのが悲しい」だ。米紙ワシントン・ポストの調査では、米国内で2015年からこれまでに職務中の警官による銃撃で亡くなった人は5000人以上。うち黒人は1329人だが、人口を考えれば、白人の2倍以上の比率だという。

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1483993 0 編集委員の目 2020/09/18 10:00:00 2020/09/18 12:18:59 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200916-OYT8I50037-T.jpg?type=thumbnail

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