進むデジタル化 懸念される「嘘つきの取り分」現象

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編集委員 飯塚恵子

 10月2日、菅政権が進める日本社会のデジタル化に警告を発する一つの重大な事件が明るみに出た。人工知能(AI)を使った「ディープフェイク」の技術を悪用した事件で、警視庁が日本で初めて容疑者を摘発したものだ。

 「ディープフェイク」とは、AIの学習機能を使い、人の口元や眉の動きなどの表情を、別人の顔に合成する技術のことだ。膨大な回数の試行錯誤を繰り返し、従来の偽動画とは比較にならない精巧な動画が作れる。初見で偽物と見抜くのは、至難の業である。

 今回の初摘発では、人気女優らの顔を合成したアダルト動画をネット上に公開したとして、名誉()(そん)と著作権法違反の容疑で2人が逮捕された。

アダルト動画だけでない「ディープフェイク」問題

 日本語で「ディープフェイク」をインターネット検索すると、今回の事件のようなアダルト系かポルノ動画しか引っかからない。ところが、英語で「deepfake」と検索すると、「米大統領選」や「国防総省の戦い」なども出てくる。日本ではまだ初期段階だが、米欧などでは、これが政治的な情報操作の道具にもなりつつあるのである。

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