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震災から10年、中小企業が苦境を脱する手立ては

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編集委員 倉貫浩一

 東日本大震災からほぼ10年が経過したが、復興は道半ばとの声は根強い。一般社団法人「東北経済連合会(東経連)」が東北6県と新潟県の企業約300社を対象にした調査によると、景況感が「上昇」と回答した企業の割合から「下降」の割合を引いた業況判断指数(実績)は、震災直後の2011年度(平成23年度)下半期の20.2ポイントから大幅に下がり、コロナ禍前の2019年度(令和元年度)上半期にマイナス21.6ポイント、下半期にはマイナス42.9ポイントまで落ち込んでいる。

東北地方の景況感BSI(企業業況判断指数)の推移。令和元年度からの落ち込みが激しいことがわかる(東北経済連合会調べ)
東北地方の景況感BSI(企業業況判断指数)の推移。令和元年度からの落ち込みが激しいことがわかる(東北経済連合会調べ)

ネットで企業同士を結びつける試み

東日本大震災で、東北地方の中小企業は深刻なダメージを受けた(2011年、宮城県石巻市で)
東日本大震災で、東北地方の中小企業は深刻なダメージを受けた(2011年、宮城県石巻市で)

 震災直後の11年夏、東北電力から東経連に出向した竹内進氏は、震災でダメージを受けた企業の経営支援を手がけていた。

 企業同士の販路開拓やビジネスの協業を進める業務を始めたが、実際に動き出すまでに時間と手間がかかると感じていた。そんな時に、中小企業の経営支援事業を始めた前田佳宏氏と出会う。前田氏は京セラや野村総研での経営コンサルタントの経験を生かして、起業の手始めに東北企業の復興を手助けすることにした。

 正式な業務提携契約を結び、2人は東北7県の400以上の企業を直接、訪問して面談した。そして、ネット上で各社の技術や製品、用途などの情報を得ることができる「eEXPO(イーエキスポ)」という仕組みを作った。竹内氏は、この10年を振り返って「震災後、自社製品の販促やマーケティングに積極的に取り組み、経営が改善してきた企業もある。ただ、東北の企業は、東北人の気質なのか、自ら製品を売り込むことが苦手で、経営の変革が遅れている企業も少なくない」と語る。

 前田氏は東経連との協業を土台に、段ボール製の簡易防音室の製作を考えていたバンダイナムコグループの依頼に基づき、必要な性能を満たすことができる福島県の中小企業を探し出し、ヒット商品につなげた。その後、リンカーズという会社を設立した前田氏は、日本全国の中小企業の技術、製品情報などを網羅するデータベースを作り、企業同士のマッチングをネットで行うサービスを展開している。

 東経連のような600以上の産業支援機関と連携し、登録しているのは、中小企業関係者など1万2000件に及ぶ。中小企業の業務、技術、製品情報を網羅したプラットフォームは、様々な製品開発のニーズを持つ大企業だけでなく、地方銀行も取引先の経営支援に活用している。

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1844041 0 編集委員の目 2021/02/16 10:00:00 2021/02/16 10:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210210-OYT8I50047-T.jpg?type=thumbnail

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